* ページ30
「なに!?薬品棚を倒した!?」
フロイドの言葉にクルーウェルは大声を上げる。
この倉庫の薬品棚には貴重な薬品が保管されており、中には入手困難な代物さえある。
「…………」
慌てて薬品棚があるとこを見て、床に落ちた瓶と液体を見て絶句する。
「ほ、本当だ……貴重な薬品がめちゃくちゃになっている……!」
無残な惨状を見たクルーウェルは、眦を吊り上げながらフロイドたちのほうを振り返った。
「…………こんの駄犬共が!なぜもっと早くにマジカメモンスターを追い払わなかった!」
「ええー!言ってること無茶苦茶じゃね!?イシダイせんせぇがオレを止めたじゃん」
「ビークワイエット!お前がしようとしていたのは喧嘩だ。客に危害を加えろとは言っていない。番犬になれと言っているんだ」
若干八つ当たりされた感はあるが、クルーウェルの言い分は正しい。
それでも納得いかないフロイドが拗ねている横で、クルーウェルは言った。
「貴重な品が集まるこの場所でこれ以上の粗相は許さない!マジカメモンスターの迷惑行為も、寮生との喧嘩もご法度だ。運営委員でしっかり防ぐように!」
「……わかりました。これ以上の迷惑はおかけ致しません」
クルーウェルの言葉にアズールが了承するも、小さくため息を吐いた。
「やれやれ。マジカメモンスターと寮生のどちらにも気を払わなければならないとは……」
「なかなかやりがいのありそうな仕事ですね」
小声でぼやくアズールの横で、ジェイドは楽しそうに言う。
その光景を室内に侵入しドアから覗いていたカラスは、静かに立ち去ると今度は購買部へと飛んだ。
EPISODE2-7 派手な花火を→←EPISODE2-6 粗相は許さない!
26人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年6月27日 19時