EPISODE2-5 ここでは暴れるな ページ28
No side
教師たちがそれぞれの会場で出向く中、クルーウェルはメインストリートを歩きながら魔法薬学室へと向かっていた。
「問題が起こっていないか様子を見てこいというようなことを学園長は言っていたが……オクタヴィネルは良く言えば冷静。悪く言えば計算高い。仮にマジカメモンスターが現れたとしてもうまく対処していることだろう。まあ、魔法薬学室は俺の管轄だし念のために様子を見ておくか」
そう呑気に言いながら魔法薬学室に向かったクルーウェルに待っていたのは……。
「チョロチョロ逃げてんじゃねぇぞ雑魚どもが!大人しく絞められろや!」
「うわやっべーわ!スッゲー迫力だわ!」
「ナイトレイブンカレッジ生めっちゃ怖ぇ〜!」
「こんな衝撃映像、絶対バズるじゃん!ムービー撮っとこ」
「あはは!お前ら余裕あんねぇ。全員楽しく、海底でお散歩させてやるよ!!!」
周囲のセットを破壊しながらマジカメモンスターを追うフロイド。
「フロイド、せっかくのセットが壊れるでしょう!ジェイドも黙って見ていないで止めろ!」
「ですが、悪いのはゲストの方では?フロイドに非はないかと思います」
「はあ。まったく、お前たちは……。やるなとは言っていません。ここでは暴れるな、と言っているんです。やるなら外で。後始末も含めてきちんとお願いします」
「ステ―――――――――イ!」
そして傍観するジェイドと物騒なことをしようとしているアズールを見て、クルーウェルは我慢できず前に出た。
「これは一体なんの騒ぎだ!?フロイド・リーチ、マジカルペンを降ろせ!寮長も副寮長も、揉め事の片棒をかつごうとするな」
「しかし、あのお客様には話が通じないんです。僕たちも困っていまして……」
「言葉が通じないゲストならば言葉以外での訴えかけもやむなしでは?」
「……」
2人の言い分も正しいが、それでもこのままではいかない。
そう考えたクルーウェルは、ある提案をした。
「フロイド・リーチを止めないなら、お前たちがマジカメモンスターを追い出せ。ただし怪我をさせないようにだぞ。トレイン先生に知られると厄介だから、あくまでこっそりだ。お前たちはハロウィーン運営委員でもある。自分の寮の問題は自分で解決しろ!」
「先生がそうおっしゃるのであれば……。いきますよ、ジェイド」
「かしこまりました」
クルーウェルの提案を聞いたアズールはいつもの支配人としての笑みを浮かべ、ジェイドは忠実な部下として返事をするのだった。
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年6月27日 19時