EPISODE1-24 俺の手には負えねえ ページ18
No side
教師たちにバレないように、浮遊魔法を使いゲストたちを浮かせる運営委員たち。
何も知らないゲストはクロウリーの言う防犯システムが起動したと解釈し、はしゃぐ。
「すっげ―――！本当に防犯システムがあるんだ！」
「楽しかったっす！あざっした――！」
「また来ま――す！」
「「「来るな！！！」」」
教師たちが一斉に拒絶する横で、ヴィルたちは小さくため息を吐いた。
「一般人に怪我をさせないように注意しながら魔法を使うって、結構難しいわ」
「だがこれで問題は解決しただろう？」
「「た、大変だ―――――！！！」」
そう言うマレウスの期待を裏切るように、声を上げながら校舎の方から誰かが走ってきた。
「えっ！今度はなんですか！？」
走ってきたのは、スタンプラリー会場に行ったデュースとジャック。
汗を流した彼らは、一様に血相を変えていた。
「はあっ……はあっ……ス……スタンプラリー会場が……」
「スタンプラリー会場が大変なことになってるんすよ！！」
「大変なこと？またなにかトラブルかね」
「情けねぇが、俺の手には負えねえ。誰か手を貸してください！」
「ダイヤモンド先輩、早く来てください！もう決壊寸前です！」
2人の言葉と表情で尋常ではないと察した面々は、厳しい顔つきをする。
「この慌てよう……ただ事ではない。運営委員のみなさん、それぞれ持ち場に戻って事態を確認してください！先生方も手分けして、様子を見てあげてください。よろしくお願いします」
「「「はい！」」」
「「「はい」」」
クロウリーの指示に従い、全員がそれぞれの持ち場へと行く。
その様子を見ていた月虹の魔女は、腕に止めていたカラスに話しかける。
「やっぱりトラブルが起きたよね……。あなた、私の“目”になって様子を見てきてちょうだい」
月虹の魔女の言葉に応えるように、カラスは一声鳴くとそのまま空へと羽ばたく。
「さて、スタンプラリー会場は一体どうなってるのかしら……？」
ボウッと瞳の中の虹の輝きが強くのを感じながら、月虹の魔女はそう呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブロッサム | 作成日時：2021年6月27日 19時
