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アズールの本音を聞き逃さなかったイデアのジド目に、本人は平然と笑顔で言った。
「お前もそう思うでしょう、ジェイド」
「はい。イデアさんとオルトくんを除け者にして『ハロウィーンウィーク』を行うことなどできません。たくさんのお客さんがいらっしゃっている今年のハロウィーン、みんなで楽しみましょう。そうすればオルトくんもきっとハロウィーンのことをもっと好きになれるかと」
「2人とも絶対なにか企んでるじゃん……」
オクタヴィネル2人組の顔を見て、イデアは完全に何かの思惑があると察していた。
「……でも無駄だよ。作品に誤った先入観を与えるなんて、ファンの風上にも置けない行為……拙者は絶対にしませんから！」
「なるほど……つまりイデアさんの『パンプキン・ホロウ』への情熱はその程度のちっぽけなものだったんですね」
「……は？今の話のどこをどう聞いたらそう解釈できるわけ？」
アズールの指摘に、イデアは困惑する。
まさか作品への情熱を引き合いだされ、一ファンである彼も動揺した。
「『パンプキン・ホロウの魅力を伝えるためにプロジェクションマッピングと実写のショーをする』。イデアさんは『ハロウィーンウィーク』が始まる前にみんなの前でこう言いました。中止するということは映画の宣伝を諦めたということ」
「そ、それは……お客さんたちがなにを見ても『かわいい』しか言わないから……」
「元々映画に興味のない正反対の人たちに訴求できてこその広報なのでは？」
「うっ。厳しい大人の事情……つらいが真理すぎる……」
ジェイドの指摘は図星で、イデアも反論はできなかった。
「つまりプロジェクションマッピングにはまだまだ改善の余地がある。それを中止して、全て投げ出すということは……イデアさんの映画への愛情が足りてないということに他ならない！」
「は〜〜〜〜！？」
アズールの言葉に、イデアは今日一番の大声を上げた。
「拙者は通常版・限定版・復刻スチールケース版、ディレクターズカット版のディスクにトイ系も揃えている筋金入りの『パンプキン・ホロウ』マニアですぞ！？愚弄するのも大概にしなされ！」
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2021年6月27日 19時
