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そんな会話をしていると、ジェイド先輩がキャンディーが入った袋を女の子に渡していた。
あ、あれが例のお菓子ね。1つ約100マドルというケチ臭い学園長が選んだやつ。

「どうぞ。一生懸命スタンプを集めてくださったあなたにプレゼントです」
「わーい、お菓子だ。ありがとう!」
「お家に帰って大人の人に確認してからお召しあがりくださいね。万が一、アレルギーがあるといけませんから。約束ですよ?」
「はーい!」

女の子は元気よく返事をすると、私たちのほうを見た。

「ありがとう、お兄ちゃんたち。また遊びに来てもいい?」
「ああ。『ハロウィーンウィーク』はまだまだ始まったばかりだからな」
「ぜひ、お友だちをたくさん連れていらしてください」
「好きにすりゃいーじゃん。バイバーイ」

3人はそれだけ言うと、女の子は頷いて去っていく。
それを見ていた私たちは、ふと首を傾げた。

「……なんか先輩たち、子どもの相手慣れてません?」
「ジャミル先輩はわかりますが、ジェイド先輩もフロイド先輩はちょっと意外でした」
「別に、普通じゃね?」
「去年も同じようなことをやったからじゃないか?エースもAもいずれ慣れるだろう」
「そうですね」
「ふーん……」

2人の言葉にそう返す私に、エースはぽつりと言い始める。

「実はオレちょっと『7日間も学外の人に気を使わないといけないの面倒じゃね?』って思ってたんすけど……1年のうちに1回ぐらいこういう行事があってもいいかもっすね。……だって、『ハロウィーンウィーク』の間は先生たちも宿題減らしてくれるし!」
「なんで最後で台無しにするのよ……」
「ふふふ、そうですね。僕も、みなさまの笑顔がたくさん見られるハロウィーンが大好きです」
「いちいち言うことが胡散臭いんだよ……」

エースとジェイド先輩の言葉に、私とジャミル先輩は深いため息を吐いた。

「なあなあ。そんなことより、オレ様腹減ったんだゾ」
「あ、そういえばもうお昼じゃない。食堂、もう空いてるわよね?」
「お、じゃあみんなで飯食いに行こうぞ!いいっすよね、先輩?」
「……お前、俺たちに昼飯をたかるつもりだな?」
「え〜人聞き悪いなあ。オレは尊敬する先輩たちと一緒に、楽しくご飯食べたいってだけですってえ!」
「全く、調子のいいヤツ……」
「ウチのエースが本当にすみません」
「お前はいつ俺の母さんになったんだよ!」

肩をすくめるジャミル先輩に謝罪すると、エースはツッコんできたが無視した。

*→←EPISODE1-16 楽しむときの決まり文句



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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年6月9日 15時

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