検索窓
今日:16 hit、昨日:7 hit、合計:19,487 hit

EPISODE1-2 俺たちのお祭りさ!! ページ3

「こりゃ驚きじゃ……まさかハロウィーンを知らない者がこの世界におったとは!」
「よくよく考えてみれば、グリムはモンスターだから人間社会の知識はほぼゼロなのよね……」

人間にとっての常識を素で「知らない」と言うグリム。
そんな彼がハロウィーンを知らないのは当たり前だった。

「そんなに有名なのか?そのハロウィーンってヤツは」
「もちろん!ハロウィーンはツイステッドワンダーランドで重要な行事の1つ。簡単に言うと……俺たちのお祭りさ!!」
「オマエらって……ゴースト?」
「そういえばそうだったわね」

ハロウィーンの本当の行事内容を思い出して納得していると、リリア先輩が語り始める。

「ハロウィーンというのは毎年10月31日、あの世に行ったゴーストがこの世に帰ってくる日のこと。こやつらのように、この世にとどまってるゴーストだけではなく……全てのゴーストが、10月31日のハロウィーンにはこの世にやってくると言われておる。
 生者は現世に出向いたゴーストをもてなすために豪華な飾り付けやごちそうを用意する。それから、おそろしげなゴーストやモンスターに仮装をすることも大切じゃ」
「仮装?なんでなんだゾ?」

リリア先輩の説明を聞いて首を傾げるグリムに、ゴーストたちも一緒になって説明する。

「そりゃあ全員が全員、俺たちのように行儀の良いゴーストとは限らないからだよ」
「椅子に座っている間に右足と左足の靴紐が結ばれてたり、キッチンの塩と砂糖がすり替えられてたり……」
「Tシャツが全部裏返しになってたり、ペンのインクが全部抜かれてたり……」
「そういうゴーストによるイタズラがハロウィーンの時期には多発するんだよぉ」
「あの世じゃ生者に関わる機会なんてないからついつい、イタズラしたくなっちゃうらしい」
「久々の現世なんて、そりゃもうテンションが上がっちゃうもんだからねぇ」
「なんてみみっちいイタズラなんだゾ」
「くふふ。可愛いものじゃろ」
「そんな理由でイタズラされた身はたまったもんじゃないですけどね」

*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年6月9日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。