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「このスタンプラリーを始めた頃は、みなさんシーツを被ってゴーストを装う程度だったんですが……一部の生徒がこだわり始め、『ならばうちも!』とどの寮も競うように年々派手になっていきまして。今では『モンスターのゴースト』の仮装も珍しくなくなりました」
「お客の期待に答え続けようとするのは長いショーを続けるうえで大切なことよ。生徒間の切磋琢磨により、ハロウィーンウィークはブラッシュアップされてきたの」
「早い話が見栄の張り合いです」
「なるほど。なんというか……うちの学園らしいな」

プライドが高く我の強い生徒ばかり集まるこの学園ならではの発展に、ジャックも納得の表情を浮かべた。

「オンボロ寮の飾り付けは、親……リリア先輩が昔旅をされたという国をイメージして作ったんだ」
「うむ。わしはこれまでいろいろな国を旅してきたが……東方のとある国には龍の伝説がたくさん残っておってのう!なんでも龍が一族の守り神をすることもあったとか。マレウスが龍の仮装をしたいと言うたときにその話を思い出したんじゃ!」
「真っ赤な龍が派手でかっこいい!!」
「くふふ。そうじゃろうそうじゃろう」

やはり男の子の心くすぐる龍に、エペルとデュースは目を輝かせる。

「ランタンも、雲も、龍も全て魔法で浮かせておる。炎も魔力で灯す予定じゃ。ゆらゆら揺れてたほうが、かっこいいしより本物っぽいじゃろう?」
「簡単に言うけど……あのランタン、相当な数があるわよね?それを浮かせつつ火を灯し続けるだなんて……正直、他の寮では真似できないほどの魔力だわ。さすが、実践魔法が得意な生徒の多いディアソムニアのハロウィーンといったところね」

ヴィルの言葉に、リリアは誇らしそうに笑みを浮べた。

「豊富な知識を取り入れ、熟練の魔法で実現する……実にディアソムニアらしい、『魔法士養成学校』のお手本とも言えるようなハロウィーンです!それでは次に行きましょう。次は……ハーツラビュル寮のみなさんが選んだ植物園が近いですね」

そうして運営委員一同は、植物園に移動した。

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年6月9日 15時

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