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「はい!はいっ!!大変よくお似合いでございます!若様に模していただけるなど……きっと今頃龍も泣いて喜んでおります!!」
「龍じゃなくてセベククンが泣いてるよ……」
涙目で語るセベクにエペルはもう一度苦笑した。
「ありがとうセベク。そうだ。衣装に助言をくれたシェーンハイトにもお礼を言わねばな」
「最初は『ドラゴンのマレウスが龍の仮装なんて似てるから意味がない』って言ったんだけど……『龍とドラゴンは全く違う生き物だ』って1時間力説されたわ。うんざりよ」
「龍は東に生息している生物。確かに角や尻尾、表皮などはドラゴンに似ているが……ドラゴンとは全く別の生き物だ。翼の有無はもちろん骨格を比べても違う種族であることがわかる。まずそもそも、龍とは厳密に区分すれば妖精ではなく……」
「わかったってば。説明はもう十分!」
マレウスの龍談義にヴィルがストップをかけた。
それを見て、リリアは謝罪した。
「すまんのう。マレウスはちいと凝り性なところがあるんじゃ」
「なんか今の早口、イデアみたいだったな」
「オタク特有の早口ってヤツですか」
「え?なんでだ?楽しい気持ちが伝わってきていいと思うぜ!」
「そういう悪気がないのが一番傷付くんだが……」
「というか、マレウスの話について行ける人っているの?」
「今のところ、マレウスの話についてこられるのは、異世界だが同じ東の出身であるAだけじゃ。あやつもかなり博識じゃからのう」
「さすがA。やっぱりあいつはスゴいな」
リリアの言うとおり、マレウスとAは3時間ほど龍談義で結構盛り上がっていた。
途中、セベクが話を中断させなければ、半日は続いていたくらいの勢いだった。
「……確かにカッコいいですけどゴーストの仮装じゃなくていいんすか?『ゴーストも怖がるゴースト』になりきるための衣装ですよね」
「なにを言う。これは龍『のゴースト』の仮装だ」
「え?」
マレウスの言葉にジャックが首を傾げると、クロウリーは説明した。
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年6月9日 15時