EPISODE1-6 泣いて喜んでおります!! ページ15
No side
見慣れたオンボロ寮は、ディアソムニア寮生によって飾り付けられていた。
真っ赤なランタン、朱塗りの門、雲や蓮、そして大口を開けた赤い龍。
Aでいうところの、中華風のスタンプラリー会場が仕上がっていた。
その正面ではいつも通りのシルバーと、何故かドヤ顔をしているセベクがいた。
「お待ちしてました。マレウス様たちの仮装の支度が済むまで、少々お待ちください」
「はーっはっは!よく来たな、人間ども!マレウス様率いるディアソムニアのハロウィーンを自ら讃えに来るとは、良い心がけだ!」
「セベククン……いつも、元気だね」
「マレウスはこのキュウリに礼儀を教えていないのかしら」
セベクの様子に苦笑するエペルと呆れるヴィルに、シルバーは頭を下げた。
「すみません。どうやらハロウィーンでいつも以上にはいしゃいでいるようです」
「はしゃいでなどいない。事実を言ったまでだ!」
シルバーの言葉に、セベクはすぐさま否定した。
「これからご登場されるマレウス様とリリア様のお姿を見れば、貴様らにも格の違いがわかろうというもの!」
「セベク、あまりみんなを困らせるな。当然のことを言われては、反応に困るだろう?」
「はっ、若様。もう仮装がお済みですか」
背後から聞こえたマレウスの声に、セベクは佇いを直した。
「……ごほん。みなの者、刮目せよ!これぞ我がディアソムニア寮長マレウス様がお考えになった……ハロウィーンの仮装である!!」
セベクの声と共に現れたマレウスとリリア。
2人の仮装は鮮やかな色彩の刺繍を施した黒い満州服。帽子には孔雀の羽根飾りがあしらわれ、西洋風の顔つきをしている彼らでもよく似合っていた。
「僕たちの仮装のテーマは“龍”だ」
「どうじゃ。よく似合っとるじゃろう?」
「去年、ディアソムニアは伝統的なゴーストの仮装をしたが……今年初めて運営委員になってみて少し趣向を変えてみてはどうかと思ったんだ。ハロウィーンとしては意表をついた色彩豊かで、人の目を引く衣装に仕上げたつもりだ」
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年6月9日 15時