EPISODE5-14 よくぞ成長したものだ！ ページ48
「ォオオオッ！！」
雄叫びを上げるバケモノを相手に、流石の4人もてこずっている。
実力もそうだが、何よりバケモノの敏捷度が高いことも原因のひとつだ。
「くっ……動きが速くてなかなか魔法が当たらない……！」
「ですが、次第に動きが鈍くなってきています。こちらの攻撃が効いている証拠でしょう」
「追加の魔法石はまだあります。必要な方は言ってください！」
「ああ、頼む！」
運動部も引けを取らない連携と戦闘スタイルに見合った戦い方に、グリムは目を丸くしながら驚く。
「す、すげー……アイツら文化部だろ？運動部ほど体力ないはずなのに、どうしてあんなに追い詰めてるんだ？」
「ああ……運動部の肉体能力には、個々の力では敵わないかもしれない。だが、己の限界を知っているからこそ、役割を良く分担できている。クローバーが指揮をとり、シェーンハイトが攪乱し、ジェイド・リーチとアーシェングロットが攻撃。
特にクローバーはチームをよく見て、隊形が崩れた時は即座にフォローに回って立て直している。素晴らしいチームワークだ！キャンプの成果が出ているな！」
「なるほど……えっ？」
「あ、あれっ？」
そこまで聞いてよくやく気付く。
バルガス先生が、普通に喋っていることに。
しかも解説までして。
「あの、拘束されていたのでは……？」
「息苦しかったからな。手足と口の拘束はさっき自分で外した」
「ああ、そうですか……」
「それなら、なにノンビリしてんだ！見てないでオメーも戦ってこい！あと、オレ様の拘束も解いてくれ〜！」
あ。グリムの拘束のこと、すっかり忘れてた。
「手出しはできん。これはオレの担当範囲外だからな」
「担当範囲外？」
「しかし、この分なら課題も合格だろう。よくぞ成長したものだ！」
「は……？課題？どういうことなんだゾ？」
「まさか……！」
バルガス先生の発言にグリムが首を傾げ、私がすべてを察した時だ。
「グォッ……！！」
4人の攻撃が入り、バケモノが苦しげな悲鳴を上げた。
「よし、効いてるみたいだ！」
「はあ、はぁっ……ですが、こちらもこれ以上は……」
「魔法石も底をつきそうです。トレイさん、どうしますか？」
「タイミングを見計らって、一斉に攻撃を仕掛けよう」
黒くなりかけた魔法石を捨てながら、トレイ先輩は最後に大声を張る。
「合図は俺がする。もう少しだけ頑張ってくれ！」
EPISODE5-15 あの姿は……！→←EPISODE5-13 全力で戦うだけだな
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ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます。 (3月7日 15時) (
レス) id: ec16017b1d (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。27ページのトレイのセリフの夢主の名前が変わっていませんでしたよ。 (3月7日 14時) (レス) @page26 id: d363e1b9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月26日 23時
