EPISODE5-13 全力で戦うだけだな ページ47
No side
暗い坑道の中、魔法の光が飛び交っていた。
「はぁあっ！」
「グ……ォオオッ！」
ヴィルの魔法がバケモノに当たるも、一向に弱る気配は見せない。
それを見ながら、トレイは自分の持っている魔法石の数を確認する。
「バルガス先生と戦う前に貰った魔法石も残り少ない……。ヴィルの魔法石は足りそうか！？」
「大丈夫！けど、アイツ……」
「ォオオオオッ！」
「アタシたちの動きが読めるようになってきてる！このままじゃ……！」
「……！それなら、これでどうだ！」
迫りくるバケモノに、トレイは上着を脱いでそれを投げつけた。
「グォッ……！？」
「トレイの上着が、バケモノの顔に覆い被さって動きが止まった！」
「今のうちだ、俺たちも急いで坑道の外に出るぞ！」
トレイに言われ、ヴィルも頷きそのまま坑道を後にした。
バルガス先生をようやく外に運び終え、しばらくたった後。
坑道からトレイ先輩とヴィル先輩が現れた。
「着いた……！」
「はぁっ、はぁ、みんなは……！？」
「大丈夫です。グリムくんもバルガス先生もちゃんと連れ出しましたよ」
「オマエら、よく逃げ切ったな！もうだめかと思ったんだゾ〜！」
「お2人とも、無事でなによりです！」
2人の顔に疲労がにじみ出ているも、今のところ傷はないようだ。
「うまくいってなによりです。まずはバルガス先生にかけられた魔法を解きましょう。ヴィルさんのユニーク魔法で体が動かせない上、縄で縛られ、猿ぐつわもされて悲惨な状態ですから」
「そうね。とりあえず、アタシのかけた呪いを解かないと……はい、もういいわ」
「あとは猿ぐつわだけですね。では……」
「ム……？ムムーッ！」
「どうしたんですか、バルガス先生。そんなに慌てて……」
「来たか……まあ、そうだよな」
「ですよねー……」
バルガス先生の反応と、トレイ先輩の呟き。
その2つを見て色々と察した私は、ゆっくりと背後を見る。
「ォオオ……！」
坑道の出入り口から現れたのは、あのバケモノ。
低い声を上げて、私たちに迫ってきた。
「なるほど、ここからが本番ということですか」
「はぁ……結局、戦うことになるんですね」
「でも、空も明るくなってきてるし十分な広さもある。これで自由に立ち回れるわ」
「あとは俺たちが、全力で戦うだけだな」
4人がそれぞれ数少ない魔法石を握り締めながら、バケモノと対峙する。
「これが最後だ。全員でいくぞ！」
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ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます。 (3月7日 15時) (
レス) id: ec16017b1d (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。27ページのトレイのセリフの夢主の名前が変わっていませんでしたよ。 (3月7日 14時) (レス) @page26 id: d363e1b9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月26日 23時
