EPISODE5-12 バテるんじゃないわよ ページ44
たいまつを持ったトレイ先輩を先頭に、私たちは坑道に向かっていた。
いくら明かりがあるとはいえ、急な山道ではどこで道を踏み外すか内心ヒヤリとするものがある。
「やっぱり、山道はキツいな……みんな、疲れてないか？」
「はぁ、はぁ……キツいに決まっているでしょう。今日はほぼ一睡もしていないんですから」
「キツくなければ山道ではありませんよ。それを楽しまないと」
「今この状況を楽しんでいるのはアンタだけよ」
「本音を言えば、さっきの発言を撤回して今すぐにでもテントへ帰ってゆっくりしたいです」
「はいはい、箔のために頑張りましょうねー」
まさに、覆水盆に返らず。
今のアズール先輩にぴったりな言葉だ。
「それはそうだが……バルガス先生とグリムのことを放っておくわけにもいかないからな。それこそ学園長を悠長に待っていたら手遅れになるかもしれない。バルガス先生が自由に動ける状態だったらまた状況は違っていたのかな……」
「今更考えても、仕方の無いことですよ」
「ええ、考えなければならないのは過去ではなく今後のことです。しかし……バケモノの正体や戦い方など、不明な点が多すぎますね。そもそも、あのバケモノに連れ去られているのがグリムくんとバルガス先生だけかも怪しいです」
「それもあり得ますね」
少なくとも、鉱山で二度遭った怪物は見境なしだった。
「そういえば……最終課題を受けた部員たちと、イデア、オルトについては触れていたけれど……マレウスやリリアはどうなのかしら？あの2人もサボったか、ルールを破ったってこと？」
「マレウスとリリアが？マレウスはキャンプを楽しみにしていたみたいだし、リリアも前向きだった。サボったとは考えづらいな」
「イデア先輩とオルトの件はバルガス先生から報告があったので知ってますが……2人に関しては何も言っていません」
「ルール違反をしたって可能性もあるけど……そうじゃないなら、もしかして……バルガス先生やグリムと同じように……あの、バケモノに……？」
「「「「……」」」」
トレイ先輩の発言で、誰もが無言になった。
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ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます。 (3月7日 15時) (
レス) id: ec16017b1d (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。27ページのトレイのセリフの夢主の名前が変わっていませんでしたよ。 (3月7日 14時) (レス) @page26 id: d363e1b9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月26日 23時
