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そこまで言って、アズールは真剣な顔になる。
「とはいえ、視界の利があったとしても、そう簡単にあの黒い影に魔法をあてられるでしょうか。僕はあの襲撃者の姿を間近で見ました。
力はもちろん、速度も獣のようだった。暗闇で魔法を使えたとしても、相手の動きを封じなければ、勝利は難しいと思います」
「それなら……この湖に落とすのはどうだ？」
アズールの懸念を解消するように、トレイは湖を見た。
「水の密度は空気よりはるかに高いから、水中ではあの素早さは出せない。足のつかない場所であれば、もはや戦うことすらままならないはずだ。バケモノだけを湖に落とすことができれば俺たちはかなり有利に立ち回れるんじゃないか？」
「確かに……人魚にはない視点でした」
「ええ。僕たちは水中の方が素早く動けますからね」
「悪くない案だと思うわ」
3人が同意したのを見て、トレイはさらに言葉を続ける。
「でもそのためには、みんなにやってもらわなきゃならないことがいくつかある。みんなの力が不可欠だ。3人とも、頼めるか？」
「いやよ。……なんて、言える状況じゃないでしょう？半端な奴の指示に従うのはごめんだけど、アンタなら下手なことは提案しないってわかってる。いいわ、アタシたちで、あの襲撃者に一泡吹かせてやろうじゃない」
「僕も、トレイさんがどんな作戦を考えたのか、興味があります」
「ええ。作戦の内容次第では、協力を惜しみません」
「そこまでプレッシャーをかけられると、言いづらいんだが……」
「この期に及んで、逃げようだなんて考えないで。シャキッとしなさい」
「……わかったよ。それじゃあまず、聞きたいことがある。この中で誰か、走りに自信のある奴はいないか？」
「「「走り？」」」
トレイの言葉に、全員が首を傾げた。
「人魚に走りを期待しないでください」
「山に入ることが多いので足腰は鍛えていますが、自身があるかと言われると微妙なところです。毎日ランニングをしているヴィルさんには、遠く及ばないレベルでしょうね」
「……この流れで名乗り出るのは、嫌な予感しかしないんだけど。一体、なにをさせるつもり？」
「それはだな……」
こき使われそうな気配を感じたヴィルの問いに、トレイは己の考えた作戦を伝えた。
EPISODE5-8 作戦開始だ→←EPISODE5-7 耳寄りなお話があります
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ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます。 (3月7日 15時) (
レス) id: ec16017b1d (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。27ページのトレイのセリフの夢主の名前が変わっていませんでしたよ。 (3月7日 14時) (レス) @page26 id: d363e1b9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月26日 23時
