EPISODE5-7 耳寄りなお話があります ページ30
No side
「あの襲撃者を、逆に襲うって……本気ですか？」
トレイの口から出た提案に、流石のアズールも困惑する。
それ以前に、トレイ・クローバーはあまり荒事を好まない性格だ。
だからこそ、彼がこんな提案をしたことにアズールだけでなく、ジェイドもヴィルも驚いていた。
「キャンプ場にいた生徒たちだって、文化部とはいえあれだけいてても足も出なかったんですよ」
「それに、マジカルペンのない今の僕たちは満足に魔法が使えません。勝ち目は薄い気がしますが……」
「とりあえず、トレイの話を聞きましょう。考えなしに言ったわけじゃないんでしょ？」
「ああ。うまくいけば、俺たち4人だけでもあの黒い影を倒すことはできると思う」
ヴィルの言葉に頷き、トレイは話を続ける。
「俺たちは確かに、魔法を制限された状況で奇襲を受けて負けた。焚火を消され、目が暗闇に慣れていなかったのも敗因のひとつだろう。でも立場が逆転すればその不利もなくなる」
「……ああ、なるほどね」
「魔法が使えて、目が暗闇に慣れている状況ならば……」
「たしかに、勝ちを披露可能性は見えてきますね」
「なるほど。しかし、どうやって魔法を使うのかという問題は残っています。我々はマジカルペンを没収されていますし、課題で採掘した魔法石も小さなものです。数も少ないため、4人で使えばあっという間に底をついてしまうのでは？」
ジェイドの出した不安要素に、トレイも弱く頷く。
「そこが問題なんだよな……課題で採掘した魔法石を使えればと思ったが、さすがに足りない」
「ふふふ……そんなトレイさんに耳寄りなお話があります」
そう言って、アズールは自分のポケットからいくつもの魔法石を取り出した。
「ボードゲーム部が昨日の課題で大量に採掘した魔法石が、なんと偶然手元にありまして。これだけあれば、普段通りに魔法が使えるのではないと思うのですが、いかがでしょう？」
「それは本当か！？助かるよ！」
「よくお礼なんて言えるわね。あの顔をよく見なさいよ、トレイ。どうせいろいろと条件をつけて、アタシたちから搾り取る気よ」
ヴィルの発言に、オクタヴィネル2人は怪しい笑みを浮かべる。
「いえいえ、彼も非常事態だとわかっていますから。きっと良心的な条件ですよ。ねえ、アズール？」
「もちろんです。無理な条件なんて出しませんよ」
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ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます。 (3月7日 15時) (
レス) id: ec16017b1d (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。27ページのトレイのセリフの夢主の名前が変わっていませんでしたよ。 (3月7日 14時) (レス) @page26 id: d363e1b9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月26日 23時
