EPISODE5-3 ただごとではなさそうだ ページ19
いきなり現れた私たちの言葉にトレイ先輩は目を丸くするも、副寮長としての経験故なのかすぐに表情を引き締める。
「グリム。バルガス先生がバケモノに襲われたってどういうことだ？なにがあったのか聞かせてくれ」
「あー、え〜〜っと……。オレ様とAがテントにいたら、突然バルガスの声が聞こえてきたんだ。『うわー！やめろー！助けてくれー！』ってな！びっくりして、テントの中から外を見たら……」
「そこで、見たんです。バルガス先生並に大きなバケモノを」
「小屋から黒い影が飛び出して、あっという間に森の中に入っていったんだゾ！」
「なるほど。それは怖かっただろうね。ふたりに怪我がなくてなによりだ」
「……ちょっと待ってくれ。バルガス先生は無事なのか？」
「え、なんで？」
「なんでって、襲われて助けを求めてたんじゃないのか！？」
あ、そっか！
バルガス先生の言葉を聞く限りじゃ、普通に救難信号出してるわ！
「あっ！あー、たしかに！その……わかないんだゾ」
「わからない？どういうことだ？小屋の中を確かめてはないのか？」
「ええっとオレ様は……『こうしちゃいられねー！』と思ってすぐにトレイのところに来たんだゾ！」
「それに……バケモノが複数いる可能性もあったので、無闇に突っ込んで返り討ちにされると思って……」
「バルガス先生がそう簡単に負けるとは思えないけど……話を聞くにただごとではなさそうだ」
「「「「…………」」」」
沈黙。
一瞬、私たちの演技がバレたのかと思ったけれど、その心配は杞憂だった。
「……先生の声は、あの小屋の中から聞こえてきたんだよな？」
「おっ、見に行くのか？」
「そりゃあ、こんな話を聞いたら放ってもおけないだろう？」
「そうだね。私たちでも簡単な手当てはできるし、まずは先生の安否を確認しに行こう」
「わかりました。案内します」
そうして小屋まで案内すると、その惨状を見て2人は息を呑んだ。
事前にバルガス先生が荒らしたとはいえ、派手にやったせいで前よりボロボロだ。
いくら廃屋だからって、他人様の家をよくもここまで荒らせたものだ。
「バルガス先生は……いないな。どこに行ったんだ？」
「小屋がひどく荒らされているね。荷物は散乱して、ランタンやコップも倒れてる。これらは、グリムくんの言っていた黒い影がやったということなのかな……」
「グリムたちの見間違いである可能性も考えたが、この光景を見ると……そうじゃないみたいだ」
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ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます。 (3月7日 15時) (
レス) id: ec16017b1d (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。27ページのトレイのセリフの夢主の名前が変わっていませんでしたよ。 (3月7日 14時) (レス) @page26 id: d363e1b9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月26日 23時
