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粉々になった石の破片を見て考え込むも、トレイはすぐに思い出した。
そして気付く。この石の正体に。
「あっ、わかった！この石の正体は……岩塩だ」
「「「岩塩！？」」」
「ああ。岩盤に埋まってる状態だとわからなかったが、割れた欠片はお菓子作りで使った塩にそっくりだ。俺が購買で買ったのは、無色透明の塩で……確かパッケージには『クリスタル岩塩』って書いてたな」
「大正解。トレイくんの言う通り、この一帯に見えている石は珍しい岩塩なんだよ」
「岩塩……ヴィルが食事やスキンケイアに取り入れてはいたけど、こんな透明に近いものもあるとは。どんな味がするのか想像もつかない。この欠片に舌をのせてみるとしよう」
「やめとけよ、簡単に塩って言っても他にどんな成分が含まれているかわからないぞ……」
部員が苦言する横で砕けた岩塩の欠片を口に含むと、ルークの目が大きく見開く。
「ぱくっ。うっ……」
「ルーク……！？」
「なんて複雑な味わいなんだ。まろやかな塩味の中に、ほのかな苦みと甘みを感じる。とても美味しい塩だね。この欠片があれば、サバイバル時の塩分補給にも困らないだろう」
「いったいどんな状況を想定しているんだ……？それにしても、岩塩か……。あっ！この塩を振って魚を焼けば、もっと美味しく食べられるんじゃないか？」
「トレヴィアン！名案だよ、トレイくん」
「そうと決まったら、塊を何個か持って帰ろう」
トレイの提案に反対する者はいなく、全員が意気揚々に岩塩を掘り出す。
今度は慎重にツルハシを使ったトレイも、上手く岩塩の塊を手に入れることに成功した。
「よし、取れた！」
そうして手にした岩塩は青く輝いており、まるで海をそのまま切り取ったような色をしていた。
「こんな場所で塩が取れるとは……大昔にこのあたりの一部が海に沈んでいたっていうのは本当かもな。それにしても……本当にきれいな色だ。パッと見じゃ誰も塩だとは思わないんじゃないか？まさかこんな珍しい光景が見られるなんて、出発前は考えもしなかった。
テントに持ったら、料理に使う前にサイエンス部の仲間にも見せてやるか。あっ、そうだ。もしイデアがキャンプ場に戻ってきてたら声をかけたほうがいいよな。この手の話題に興味があるって言ってたし……きっとこの話をしたら喜んでくれるだろう」
そう言いながら岩塩の塊を手に、トレイはルークたちと共に坑道を後にするのだった。
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ミア - 36ページのグリムのセリフ【サイエンス部】が【セイエンス部】になってます。 (2月23日 13時) (
レス) @page38 id: 2dc0a598d4 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます！ (2月12日 22時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。12ページのオルトのセリフ『きっと』が『樹ッと』になってましたよ。一瞬えっ？なにこれ？と思いました。 (2月12日 19時) (レス) @page12 id: bedc6476a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月9日 0時
