* ページ41
そうしてルーク先輩たちが天幕とロープを持ってくる間に、トレイ先輩は餌に使える材料を探した。
「……よし、材料集めはこれくらいでいいか」
「エビと虫はわかるけど、なんだそのネギみたいな草?魚が食べたがるとは思えないんだゾ」
「においを嗅いでみればわかるさ。ほら」
「くんくん……うわっ、くっせ!!!!」
「ものすごい匂いですね……!!」
臭いというより、刺激臭がかなり強い。
見た感じハーブの一種なのだろう。
「この草は香草の仲間なんだけど、すごくにおいが強いんだ。嗅覚を頼りに餌を探すオオナマズなら、遠くにいてもこの強いにおいを追ってこられるはず。それじゃあ、素材を石ですり潰しながらペースト状にしていくぞ……」
そうして、トレイ先輩は近くにあった岩を使って素材をすり潰していく。
「…………ゴツゴツゴツゴツ、地味〜なんだゾ」
「はは、焦ったって仕方ないさ。丁寧に、根気強くやれば……ほら」
「おお……!徐々に混ざってきた。手際が良いな」
「なんか、トレイがやってると……お菓子作りみたいで、餌が美味そうに見えてきたんだゾ……」
「ん?食べてみるか?」
「え゛」
トレイ先輩が大きめの葉ですり潰した餌をグリムに近付ける。
「くんくん……ッカ!!くっせ!!!いらね―――!」
見事にフレーメン反応を見せたグリムが全力で拒否。
よ、よかった。
「うーん、まだ固すぎるかな?空気を含ませながら、少しずつ水を足して……」
そこからも試行錯誤を繰り返し、撒き餌がようやく完成する。
「よし、完成だ。初めて撒き餌を作ったにしてはなかなかいい出来じゃないか?」
「す、すごい……チョコホイップクリームと言われてもギリギリ信じてしまいそうだ……」
「何その例え……」
本物のチョコホイップクリームに謝りなさい。
「なんかハラ減ってきた……。くんくん……うぇ〜っ!ニオイはますますヘンになってるんだゾ。本当にコレで、オオナマズが寄ってくるのか?」
「そのあたりは実際にやってみたいとだな。俺も手作りの餌で魚を釣った経験があるわけじゃないし。ルークが戻ってきて天幕を水中に仕掛けたら、さっそく試してみよう」
16人がお気に入り
「ツイステ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミア - 36ページのグリムのセリフ【サイエンス部】が【セイエンス部】になってます。 (2月23日 13時) (レス) @page38 id: 2dc0a598d4 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます! (2月12日 22時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。12ページのオルトのセリフ『きっと』が『樹ッと』になってましたよ。一瞬えっ?なにこれ?と思いました。 (2月12日 19時) (レス) @page12 id: bedc6476a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ブロッサム | 作成日時:2024年2月9日 0時