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EPISODE4-1 地味〜なんだゾ ページ39

最初に寄ったのは、湖畔だ。
そこではオオナマズを釣ろうと部員たちが躍起になっていた。

「トレイ先輩!ルーク先輩!」
「オーイ、サイエンス部!オオナマズは釣れたかー?」
「グリムとAか。いや、普通の魚なら釣れてるんだが……」
「オオナマズは全然だね。やはり、簡単には捕まえられなさそうだ」

バケツの中には魚が何匹かいたけど、やはりオオナマズとなると捕獲難易度は上がるようだ。

「そうだな……もっと対策を練ったほうがいい」
「どうするんだ?」
「うーん。俺は釣りのことはあまり詳しくないからなあ。普通に考えれば、罠を作って捕まえるか、それとも餌を工夫するかだが……どちらにしても、まずはオオナマズの生態について情報をまとめたほうがいいかもな」
「そうだね。いまは調べる手段がないから、過去に聞きかじった記憶をたどるしかないけれど……オオナマズは夜行性で、日中は湖底近くの物陰に潜んでいるはずだよ」
「それだけじゃあおびき寄せる手段はわからないな……。まあ名前からして、ナマズの生態と似ている思って良いだろう。それなら少しはわかるぞ」

何故ナマズの生態を知っているのか、根掘り葉掘り聞きたい気持ちになったけど、私はそれを我慢してトレイ先輩たちの会話を聞くことに徹する。

「ナマズはカニやエビ、魚を食べるらしい。すごく食い意地がはってるんだとか」
「そうだね。陸に乗り上げて、鳩を食べた個体もいると聞いたよ」
「怖っ!」
「あんまり湖に近づかないほうがいいかもな、グリム。お前ぐらいのサイズなら、パクっといかれるかもしれない……」
「ああ、確かに」
「こ、こえーんだゾ……!」
「はは、悪い悪い。冗談だよ」

トレイ先輩は冗談だと言ったけど、グリムって結構大きいし、オオナマズから見れば食べ応えのある魚に見間違えるだろう。

「他の特徴といえば、嗅覚が鋭いことかな。かなり遠くからでも、水中に溶け込んだ匂いをたどって餌を見つけることができるそうだ。他の魚と同じように、聴覚にも優れているらしい。ただ目が悪くて、色はほとんど見分けられない」
「それもサイエンス部の知識ですか?」

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ミア - 36ページのグリムのセリフ【サイエンス部】が【セイエンス部】になってます。 (2月23日 13時) (レス) @page38 id: 2dc0a598d4 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます! (2月12日 22時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。12ページのオルトのセリフ『きっと』が『樹ッと』になってましたよ。一瞬えっ?なにこれ?と思いました。 (2月12日 19時) (レス) @page12 id: bedc6476a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2024年2月9日 0時

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