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EPISODE3-3 いい朝だね ページ37

No side

まだ日が登らない早朝、マレウスは夜の散歩をしていた。

「ふむ、いい場所だ。茨の谷ほどではないが、星がよく見える。……そこにいる者も、そうは思わないか?」

マレウスが背後に声をかけると、一瞬だけ反応があった。

「姿を見せろ。何者だ?」

王者としての風格を見せたマレウスに、暗闇に潜んでいた人物も姿を現す。
かの者の姿を見て、マレウスは驚きで軽く目を見開く。

「お前は……なるほど。これは興味深いな」

正体に気付いたマレウスは、面白そうに微笑んだ。

一方その頃、キャンプ場。
静かな早朝、それを破るようなうるさい金属音がカンカンカンカンカンッ!と響き渡る。

「うっ……な、なんの音だ?」
「おはよう、トレイくん。いい朝だね」
「いい朝って、まだ日も昇ってないぞ……。今の音はルークが立てたものか?」
「いいや。私は早くに目が覚めたから火のゆらめぎを眺めていただけだよ。音の主は彼だね……ほら」

そう言って、ルークが指さした先にいたのは。

「みんな朝だよ。起きて〜!課題の説明を始めるよ〜!」

フライパンとお玉を使って音を鳴らすゴーストだった。

「ああ……なんの音かと思ったら、ゴーストがフライパンを叩いていたのか」

朝から聞くにはあまりにもうるさいその音は、部員全員が起きるまで響き渡った。


「おはよう!全員揃ったようだな」

前回同様、日が昇らないうちから起こされ、部員たちは眠気眼のまま集まっていた。
すでに経験した私たちは早めに睡眠を取ったけど、グリムはまだまだ寝足りないようだ。

「おはようございます」
「うう……眠い……」
「徹夜で遊ばないで、ちゃんと寝ればよかった……」
「くふふ、2人ともだいぶグロッキーじゃな。ジェイドは平気そうだが」
「ええ。僕は隙を見て仮眠をとりましたから」

なんと。軽音部は運動部がやらなかった徹夜をしたのね。
そしてジェイド、抜け目がない。

「では早速、2日目の課題を発表する。1日目同様、課題は3つだ。まずは『住』!キャンプ中に安全な生活を送るため魔法薬を作るんだ。擦り傷の治りを速める魔法薬を作るため、このあたりに自生する『灯火の花』を探し出せ」
「『灯火の花』を?市場での流通量も少ない希少な植物だったと思いますが……。昨日の課題とは難易度が比べものになりませんね。時間配分も考えなくては……」

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ミア - 36ページのグリムのセリフ【サイエンス部】が【セイエンス部】になってます。 (2月23日 13時) (レス) @page38 id: 2dc0a598d4 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます! (2月12日 22時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。12ページのオルトのセリフ『きっと』が『樹ッと』になってましたよ。一瞬えっ?なにこれ?と思いました。 (2月12日 19時) (レス) @page12 id: bedc6476a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2024年2月9日 0時

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