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RPGごっこに夢中なイデア先輩を横目に、せっせと薪を集める映画研究会とボードゲーム部。
なんとか一定数の薪を集め終え、彼らはキャンプ場に戻って来た。

「いや〜集まりましたな、薪!それじゃ、ちゃちゃっと薪に火をつけましょうかね」
「イデアさん……いつになくやる気ですね。火のつけ方なんでわかるんですか?」
「まあまあ、見ててくださいよ。フヒヒ。まずは枯れた落ち葉や麻紐をほぐして、繊維を立たせた火口をつくり……火打ち石でできた火花を、繊維の上に落とすイメージで……」
「あれ?運動部のとき、火打ち石なんて用意してあったか?」
「なかったわ。多分、難易度を下げたってことでしょ」
「あー、なるほどな。確かにちょっとは楽になる気がするんだゾ」

あの時はたしか、ラギー先輩が石と拝借したヤスリで火をつけたんだっけ……。
それを比べると、文化部はまだ楽な方だろう。

「落ち葉を使って……火花を落とす……」
「おっ。ぶつけた火打ち石から、本当に小さな火花が出てる!」
「よーしよし、なかなかいい感じではありませんか。あとは、火種を火口に包んで息を吹きかける。ゆっくりと、くれぐれも慎重にやること!」
「いちいち偉そうなのが腹立たしいですが……やけに自信満々なようですし、一応従っておきますか。ふーっ、ふーっ……」

アズール先輩が言われた通りのやり方をすると、火種が大きく燃え広がった。

「おお……本当に火が出ました。すごいじゃないですか、イデアさん。いきなり指示を出し始めたときは少々不安でしたが、意外とアウトドア知識が豊富なんですね」
「フヒヒ……拙者なんて全然。『がけも』公式番組の情報の正確さを褒めてください」
「『がけも』?」
「拙者の推しアイドルグループ『崖っぷちもいらす』略して『がけも』だよ。ちゃんと覚えてくだされ〜。この前音源もプレゼントしたでしょ」
「音源……?ああ。特典のために大量買いして10枚も押し付けてきたCDのことですか」
「多っ」

一体何枚購入したのよこの人。
オタクって、金の遣い方が時々狂気じみてるわよね……。

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ミア - 36ページのグリムのセリフ【サイエンス部】が【セイエンス部】になってます。 (2月23日 13時) (レス) @page38 id: 2dc0a598d4 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます! (2月12日 22時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。12ページのオルトのセリフ『きっと』が『樹ッと』になってましたよ。一瞬えっ?なにこれ?と思いました。 (2月12日 19時) (レス) @page12 id: bedc6476a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2024年2月9日 0時

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