EPISODE2-1 いつになくやる気ですね ページ19
課題が始まり、最初に寄ったのは森林。
ここでは火起こしに必要な薪を集めている部員たちが集まっていた。
「しっしっ！この森、虫が多いんだゾ」
「虫よけスプレー持ってくればよかったわね」
「おっ、あそこに映研がいるな。おーい！調子どうだー？」
グリムがヴィル先輩たちに声をかけると、当の本人たちは嫌な顔をした。
「ああ……記録係じゃない。嫌なタイミングで様子を見に来るわね」
「嫌なタイミング？」
「見てのとおりよ。焚火の薪にするために木材を集めなきゃいけないのに、全然進まない」
「あー、なるほど……」
ヴィル先輩の言葉に察した私たちは、ちらりと彼らの周辺を見る。
「ああもう！追い払っても逃げてもしつこく虫がくっついてくる……！」
「うわぁあああ！！虫、虫がぁっ！！お願いだから刺さないで！」
「ほらね、このザマ」
映研部員たちはしつこく虫から逃げていて、一向に薪を集めていない。
なんとも情けない姿だ。
「なにやってんのよ、アンタたち。虫よけスプレーすら用意してなかったの？映画研究会のメンバーなら、屋外活動で日焼け止めはもちろん、虫刺され対策するのは当然でしょ」
「僕は虫に刺されることがないからわからないけど、そんなに『痒い』って大変なんだ」
「痒いだけならまだマシ。刺された部分が赤く腫れたり痕が残ったりするから大変なの。はぁ……うちのメンバーは手が焼けるわね。ちょっと待ってなさい」
そう言って、ヴィル先輩は草むらに入って行く。
「急に草むらに入って、なにしてんだゾ？」
「ハーブの採取。ペパーミントやタイムは料理にも使えるけど、虫よけ効果もあるの。スプレーをテントに取りに行く時間が惜しい。手で揉んで、メントールの成分を塗っておきなさい」
「うう、とんでもなくスースーする……まあ、これで虫が来なくなるなら……」
「それと、蚊は汗の臭いをたどってくるわ。汗をかきそうなところに泥を塗るのもいいかもね」
「さ、流石に泥は遠慮しておきます……」
いくら虫が嫌とは言え、自分の身を汚すような真似は誰だってしたくないだろう。
それが、シャワールームなんてないキャンプ場ならなおさら。
「わはは！塗ればいいじゃねーか！泥まみれの顔とかおもしろそーなんだゾ！」
「そう？なら、アンタには塗ってあげる。ほら、顔を出しなさい」
「うわっ！いらねー、手近づけんな！」
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ミア - 36ページのグリムのセリフ【サイエンス部】が【セイエンス部】になってます。 (2月23日 13時) (
レス) @page38 id: 2dc0a598d4 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます！ (2月12日 22時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。12ページのオルトのセリフ『きっと』が『樹ッと』になってましたよ。一瞬えっ？なにこれ？と思いました。 (2月12日 19時) (レス) @page12 id: bedc6476a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月9日 0時
