＊ ページ28
「一応聞くけど……何故参加したの？」
「豊作村のソリレースで優勝すると、幸運になれると聞いていますから」
「あのような眉唾物の賞品のために、わざわざレースに参加を？」
「皆さん、よほど幸運を手に入れたいと見えます」
うわぁ、なんてわかりやすい嫌味を……。
しかしそこはロイヤルソードアカデミー、そんな嫌味なんて風のようにスルーする。
「いえいえ！私たちはもう十分幸ですから、これ以上の幸運なんて欲張りですよ。ただ……」
「みんなに幸運を分けてあげたいなぁって……へぷちっ！」
「「「「は？」」」」
「幸運を、分ける……？」
まさかの言葉に、全員の目が点になる。
だって、あまりにも信じられなかったから。
仮にもいい年をした高校生が、そんな子どもじみたことを言ったのだから。
「そうなんです。世界中の人たちが、もっと幸せになったらいいなと思って、参加を決めたんです」
「ハァ〜？こんな小さなレースの優勝ごときで世界中の人間が幸せになってたら誰も苦労しませんわ！」
「ふふっ、それもそうですね。確かに私たちだけじゃ、みんなを幸せにするのは難しいかもしれません。
でも、身近にいる大切な人……例えばネージュがもっと幸せになったら……彼の笑顔を見た、たくさんの人の幸せになれると思うんです！
そうやって、幸せを広げていきたい。……なんて、やっぱり欲張りですかね？でもそれが、私たち7人の心からの願いです」
「わーい！ハッピーサイコー♪」
「「「「……は？」」」」
「…………いつもこんな感じなの？」
「えっと……うん、そうかな……あはは……」
あまりにも夢見がちな言葉に、私たちはドン引き。
思わずハルカの方を見ると、彼女も苦笑いを浮かべている。
どうやら、ロイヤルソードアカデミーではこれが当然の態度のようだ。
「な、なんなんだコイツら。さっきからワケのわかんねーことしか言わねえんだゾ！」
「世界中の人のために走るなんて……本気で言ってるの？お行儀良すぎて嘘くさい！」
「いい子ぶるのもたいがいにしろ！」
「遠慮したように仰いますが、よほどご自分達の力に自信があると見える」
「か―――！しゃらくさいですわ―――！き、聞いてるだけで、虫唾が体中を爆走しちゃう……」
「さっき普通に『苦労しませんわ！』って答えてましたもんね」
「この男が直接話しかけるとは、よほどの腹立たしさだぞ！」
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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (2023年3月1日 21時) (
レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 続き、15ページエペルのセリフ『開催する年』が『開催する都市』になっています。 (2023年3月1日 17時) (レス) id: d9657aee6a (このIDを非表示/違反報告)
ミア - いくつか訂正があります。イベントストーリー25、42ページ『型紙』が『髪型』になってます。 44ページのイデアのセリフ『しゃあなし』が『じゃあなし』 イベントストーリー26、5ページのエペルのセリフ『モルン山で採れる木』が『気』 に (2023年3月1日 17時) (レス) @page22 id: d9657aee6a (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます！ (2023年2月23日 15時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
NA - 面白いです！続きも頑張ってください！応援してます! (2023年2月23日 15時) (レス) id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年2月21日 1時
