【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる Event Story14 (ページ9)

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EPISODE5-2 ハプニングはいらないページ9

ジャックに言われ、坑道へやってきたラギーたち。
昼に行った場所へ向かう中、ラギーはジャックに訊いた。

「……んで。ジャックくんが最後にデュースくんを見たのは、確かにこの坑道なんッスね？」
「はい。忘れたツルハシを1人で取りに戻るっていうんで、坑道の前で別れました。俺はその後、てっきりキャンプ場に戻ってきてるんだろうと思ってたんです。
　でも、さっきバルガス先生が号令をかけたときデュースの姿が見当たらなくて……解散した後、部活の奴らに聞いたんすけど、みんなも『昼から見てない』って言うんすよ」
「それでオレたちに声をかけた、と」
「うす。陸上部の先輩たちは、『エースみたいにサボってるんだろう』って笑ってました」

あの時のジャミルの質問によって、陸上部の先輩はそう思い込んだらしい。
しかし。

「確かに陸上部が個人競技。デュースのことをよく知らないから、そう思うかもしれねえ。デュースはエースと同じぐらい……いや、それよりもっと、とてつもなく馬鹿ですけど……でも……アイツは課題をサボるような、不真面目な男じゃねぇはずだ。絶対に、おかしいと思うんです」
「うん……。僕も、そう思う」
「こうなると、レースやレオナ先輩にもなにかあったと想定しておく方がいいだろう」

知り合いが3人も行方知れずになるという状況に、さすがのジャミルも笑い事では済まされない事態だと再認識し姿勢を変える。

「レオナさんに、なにか……ねえ。想像しづらいッスけど……。二人がどこでいなくなったのかわからないのに対して、デュースくんは『坑道』って見当が付いてる。一応探しましょう。キャンプに参加してもらわないと、残された方の手間が増えるだけッスからね」
「全くだ。誰かさん以外にもこんなに手のかかる奴らがいるとは……」

ジャミルのその一言で、件のスカラビア寮長が派手にくしゃみをしたことは知る由もない。