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スカラビア寮生らしい熟慮さで冷静にバルガス先生を分析するジャミル。
それを聞いて、フロイドは怠そうに同意する。
「そーそー。まっ、ロブスターせんせぇ、いつおしつこくてウゼー奴だけどさ〜。気分乗らなくて2、3日サボりたくなることぐらいよくあんじゃん？カニちゃん1匹ぐらい気にしなくていーって。さっさとテントに戻って……」
「フロイドくん」
「ん？コバンザメちゃんに、グッピーちゃん。どーかした？」
どこか真剣な顔をした2人を見て、フロイドは首を傾げる。
「2人に、エペルくんから話があるって」
「あの、さっき……エースクンが戻ってきてないって……」
「あーね。まあ気にしなくていいでしょ」
フロイドがそう言った直後、エペルは困惑した顔で言った。
「……エースクンだけじゃないんです」
「「え？」」
「レオナサンも、今日のお昼から居場所がわからないんです！」
「レオナ先輩も……？」
「そんな驚くこと？トド先輩のことだし、どっかでぐーすか寝てんでしょ」
「ほらね。言ったでしょエペルくん。心配し過ぎ」
2人の反応を見て、ラギーはやっぱりと言わんばかりに肩を竦めた。
「よく考えてみなよ。いなくなったって言ったって、レオナさんに、エースくんッスよ？レオナさんがどっかをふらついてるのなんて、日常茶飯事だし……エースくんだって、授業抜け出して先生やリドルくんに叱られてるとこ、よく見かけるッス。バルガス先生の言った通り、どっかでサボってるだけしょ」
「うーん…………そう……かな？僕の、気にしすぎだったかも。すみません……」
ラギーの言うこともわかり、3人に謝るが些か釈然としないエペル。
その時、ちょうどジャックも現れた。
「あの……」
「ん？ジャックくん？どうしたんッスか、そーんなに青い顔しちゃって……」
「…………ないんです」
「え？」
「デュースも…………帰ってこないんです」
ジャックからの一言に、全員がさっと顔色を変えた。
そして、同時に思った。
――これは只事ではない、と。
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2021年10月16日 19時
