【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる Event Story14 (ページ43)

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「なるほど、余裕だったのか。ということは……」
「やはり『バケモノ』というのは誇大表現だね？抽象的な表現だし、みんなの証言がどうも的を射ないと思っていたんだ」
「そ、それは僕たちもアイツの正体がよくわからないから……！」
「実際はなにがあったんだい？イノシシに襲われたとか？それでも、退治をしたならすごいことじゃないか。誇るべきだ」
「いや、そういうわけでは……くっ……どうせきちんと話しても、信じてもらえないに決まっている！早く若様とリリア様にお会いしたい……きっとお2人なら、僕の話に真摯に耳を貸してくれるはずだ！」

馬術部ではリドル先輩とシルバー先輩がセベクの話は聞いていたが、やはり怪物のことは信じていない。
若干涙目になっているセベクを見て、ツノ太郎に会ったらセベクの話についてきちんと説明しようと思った。

「あ～～もう！やっぱ褒賞だけじゃわりに合わないッス！」
「ったく、いつまでうだうだ言ってんだ」
「だって、がっぽり稼げるチャンスを逃したんスよ！？みんなで使った魔法石も……『ネコババはよくないから』って、やっぱりジャックくんたちが先生に言っちゃうし……」
(あ、やっぱり言ったのね)

他のみんなの話に集中してたから気付かなかった。
言われてみると、学園長が見覚えある石を持っていた。

……あれ、自分の懐に収めないわよね？
あとで問い詰めよう。

「本っ当、酷い行事だった……エペルくんもそう思うでしょ？」
「僕は結構、楽しかった……かな？」
「え……マジ？」
「ラギーサンや、部員のみんなと一緒に数日過ごすなんて、初めての経験だったし……新鮮な体験も多かったから、いろいろと勉強になったと思います」

エペルの言う通り、私も今回のキャンプには学ぶことも多かった。
それこそ、一度もキャンプを体験していない元の世界の同級生たちに同情してしまうほどに。

「勉強……ねぇ。まあ、確かにそれはあるかも。もしもまたキャンプに呼ばれることがあれば……どんな手を使ってでも、不参加を目指す。それが、『バルガスキャンプ』でオレが学んでことッスね！！」

……それは学んだことでいいのだろうか？
ラギー先輩のおかしな結論を聞きながら、私たちは学園の帰路へ向かう。

こうして、2泊3日の青春あり騒動ありの『バルガスキャンプ』は無事に終了するのだった――――