EPISODE4-15 美しすぎるヴァンパイア ページ49
No side
ヴァンパイアとしてマジカメモンスターたちに襲い掛かるヴィルとエペル。
一方、さっきまでの話を信じたマジカメモンスターたちは泣きながら叫ぶ。
「ひ、ひぃい―――!カラカラになるのは嫌〜〜〜!」
「ヴィルが本物のヴァンパイアだったなんて!写真は全部消します!もう隠し撮りもしないから許して!」
そう言ってマジカメモンスターたちは鏡の間を出て行く。
彼らの後ろ姿を見送った2人は、ヴァンパイアの演技をやめる。
「マジカメモンスターたちすごい勢いで逃げていきましたね」
「……さて。アンタたち、もう起き上がっていいわよ」
ヴィルが一声かけると、さっきまで倒れるフリをした寮生たちが起き上がる。
「寮長、僕たちの演技はいかがでしたか?」
「臨場感を出すために、苦しい顔をするシーンは実際に呼吸を止めてみたんです」
「トレビアン!手に汗握る、迫真の演技だったよ。観客が私しかいなかったのが、実に悔やまれる。もしこれが大劇場での公演だったら今頃万雷の拍手を受けていたはずさ!」
「「副寮長……!」」
「ルーク、適当なことを言わないで」
ルークからの賛辞に寮生たちの顔に喜色が浮かぶ。
しかし、ヴィルはため息を吐くとすぐに指摘する。
「アンタたち、哀れな犠牲者役だっていうのにセリフや動作の一つ一つがわざとらしすぎる。舞台演劇じゃないんだからもっと自然な演技プランにすべきよ」
「も、申し訳ありません……寮長」
「寮長と共演できる栄誉につい力が入りすぎてしまいました」
「マジカメモンスターの撃退には成功したわけだしそんないろいろ言わなくても……」
「ま、それもそうね。ほぼぶっつけ本番の即興劇にしては、上出来だったわ」
エペルの苦言に反論はなかったのか、素直に認めたヴィル。
するとエペルは少しだけ困ったような顔をしながら言った。
「でも……本当に良かったんですか?その、ヴィルサン主体で追い出しちゃって」
「もちろんよ。逆にスカッとしたわ。ああいう手合には昔から散々迷惑をかけられてきたんだから。まったく、許可もなくアタシの写真をパシャパシャと……」
これまでの迷惑を思い出したのか、ブツブツと呟き出すヴィル。
だが、エペルは否定するように首を横に振る。
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ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます! (2021年7月27日 10時) (レス) id: 7a29d19501 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 魔に愛されシリーズ大好きです 更新頑張ってください (2021年7月27日 10時) (レス) id: 9cb0f7fda6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年7月22日 15時