【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる Event Story10 (ページ47)

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そう言ってエペルが寮生の1人に近づいた直後、

「ガブウッ！！！！」
「うわ―――！」
「「えっ！？」」

まるで肉に食らいつくかのように噛みついた。
それを見ていたマジカメモンスターたちも思わず声を上げる。

「骨付き肉を食べるときみたいに……生徒の首に噛みついた！？」
「な、なにが起きてるの……！？」

目の前の光景が信じられずさらに困惑するマジカメモンスターたち。
エペルの様子を見て、ヴィルはため息を吐いた。

「ハァ……エペル、食事のマナーがなってないわよ。アタシがお手本を見せてあげるから、ちゃんと覚えなさい。食事のときはこうするの」

そうしてヴィルももう1人の寮生に近づくと、

「かぷっ」
「うっ！」
「……ごくっ、ごくっ」

品のある仕草で首に噛みついた。
呻き声を上げながら妖艶で美しく噛みつかれ、生気を吸われている寮生を見て、マジカメモンスターたちは騒ぎ出す。

「待って待って、ヴィルも生徒に噛みついたよ！？」
「せ、生気を吸うとか言ってたけどまさか本当に……？」
「う、うぅ……僕はもうダメだ……こんなところで怪物に襲われ、人生を終えるなんて…なんたる悲劇…………ガクッ！」

ヴィルに噛みつかれた寮生はそう言うと、そのまま床に倒れた。
ぴくりとも動かない様に、マジカルモンスターたちの顔色が徐々に青くなる。

「えっ、嘘……あの人全然動かなくなっちゃった！」
「そ、そんな……それじゃあまさか、ヴィルは……あの2人は……」
「「本物のヴァンパイア！？」」

何度も衝撃的な光景を見せられすっかり信じてしまったマジカメモンスターたち。
それを横目に見ながら、ヴィルとエペルはさらに話を進める。

「さ、エペル。今度は上品に食べるのよ？」
「はい。ヴィルサン。かぷっ！」
「い、いやだ……やめろ……うっ！」

再びエペルに噛みつかれた寮生は、そのまま体を弛緩させていった。