【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる Event Story10 (ページ16)

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EPISODE3-5.5 少し悩んでて…… ページ16

夜の作戦を実行するべく、私はハーツラビュルに来ていた。
私がおどかす方法にここの白薔薇が必要で、リドル先輩が剪定した白薔薇を7本受け取る。

「よし、これでいいだろう」
「ありがとうございます」
「構わないよ。ここの薔薇の木は他より早く剪定する予定だったからね。……しかし、白薔薇を7本もどう使うんだい？」
「それは秘密です。ネタバレしたら面白くないでしょ？」

とにかく、これでミッション完了だ。
後は寮に戻って、ゴーストたちに頼んだものができているか確認するだけ。

そのままハーツラビュルから出た瞬間、目の前で何かにぶつかった。

「ぶっ！？」
「あ、悪ぃ！大丈夫か？」

聞き覚えのある声に鼻を抑えながら顔を上げると、そこにいたのはジャックだ。

「ジャック、あなたもハーツラビュルに何か用なの？」
「ああ。Aは？」
「私は薔薇をもらいにきたの。……それで、そっちはどうしたの？」
「ああ、実は……」

ジャックは夜の作戦のために自分なりのおどかしをレオナ先輩たちに披露したが、彼らの反応は不評。
そこでデュースにトレイ先輩に相談したほうがいいと話を持ち掛けられ、ハーツラビュルに向かっていたという。

「なるほどね。トレイ先輩ならいいアドバイスくれるかもしれないわ」
「ああ。……参考までに聞くけどよ、Aはどんな風におどかすつもりなんだ？」
「私？……そうね、ここは日本人らしくジャパニーズホラーをしようかなって」
「ジャ、ジャパ……？そいつは、どんな感じなんだ？」
「単純に言うと、おどかす相手の恐怖心をじわじわじわじわと追い詰めて、恐怖がピークになったところを！……って、感じね」
「な、なんかそれ……エグいな……」
「そう？まあ、この世界のホラーがあんまり怖くないからそう感じるんじゃないかしら？」

ツイステッドワンダーランドは悲劇よりも喜劇を好む人が多く、前に知っている悲劇の物語を話したら聞いていた全員が号泣するという騒ぎになった。
ホラー映画も日本と比べたらあんまり怖くなく、正直ジャパニーズホラーでいけば成功するだろうとは思っている。

「ま、これはあくまで参考よ。ジャックはジャックなりに考えたらいいわ。じゃあね」
「お、おう。じゃあな」

そう言って私はジャックと別れて、オンボロ寮へと戻る。

「この世界のホラーが怖くないって……あいつの世界のホラーはどんだけ怖ぇんだ……？」

その時、ジャックがそんなことを言っていたことに私は気付かなかった。