＊ ページ10
「ぎにゃー！離すんだゾ！」
ジタバタと暴れながら抵抗するも、今の彼はただの生き物だ。
「オレ様は……絶対、絶対！大魔法士になってやるんだゾー……！」
その叫びとともに扉が固く閉められる。
あの子がなぜそこまで必死になるかわからないが、もう会えないだろう。
「少々予定外のトラブルはありましたが入学式はこれにて閉会です。各寮長は新入生をつれて寮へ戻ってください」
学園長の一言に生徒達はぞろぞろと鏡の間を出て行く。
途中でマレウス・ドラコニアなる人物の話題が出てきたが、それもすぐ鎮静化し学生たちは寮へと向かう。
そして、私は学園長と共にこの場から残っていた。
「――さて、Aさん。大変残念なことですが……貴方には、この学園から出て行ってもらわねばなりません。魔法の力を持たない者をこの学園へ入学させるわけにはいかない」
「……ま、そうですよね」
「心配はいりません。闇の鏡がすぐに故郷へ送り返してくれるでしょう。さあ。扉の中へ。強く故郷のことを念じて………」
故郷、か……。
どうせ戻っても灰色の生活を送るだけ。
まだあの家にいる羽目になるが、家を出れる成人になるまで我慢するしかない。
「さあ闇の鏡よ！この者をあるべき場所へ導きたまえ！」
高らかに告げるも、闇の鏡は沈黙を貫く。
咳払いをし、同じセリフを吐くも、次の言葉に学園長は息を呑む。
『どこにもない……』
「え？」
『この者のあるべき場所はこの世界のどこにも無い……無である』
「なんですって？そんなこと有り得ない！ああ、もう今日は有り得ないのオンパレードです」
嘆く学園長に闇の鏡は再び沈黙する。
「私が学園長になってから、こんなことは初めてでどうしていいか……。そもそも貴方どこの国から来たんです？」
「実は…………」
やっと事情を話せるようになり、私は学園長にすべてを話す。
しかし彼は、私の出身国を聞いても初耳だと言わんばかりに首を傾げる。
いくら極東の島国とはいえ、日本は世界中でも知られている名だ。
知らないなんてことはありえない。
事態を重くみた学園長の提案で一度図書室で調べようという話になり、私は再びあの不思議な図書室へ向かった。
PROLOGUE4 困惑アムネシア！→←PROLOGUE3 冷酷アンサー！
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だしのもと - 威月さん» 作者様じゃなくてすみません。確かにジューゴに似てる… (2022年4月7日 17時) (
レス) @page3 id: bbe118badb (このIDを非表示/違反報告)
威月(プロフ) - これから作品を読み始めるものです。設定を見てすこし思ったことがあってコメントさせていただきます。間違ってたらほんとにごめんなさいなんですけど夢主ちゃん、『ナンバカ』のジューゴを参考にしてますか？目についてや嫌いなものが一緒だったので……… (2022年3月29日 17時) (レス) @page3 id: 4af538b452 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ - わああああ!!あのメイデーアだ!!(・д・ = ・д・)応援してます!!( ﾟДﾟ)ゞ (2020年12月29日 19時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 感想ありがとうございます！結構書き残しとか修正とかで内容は変わる時もありますが、応援よろしくお願いします！ (2020年10月27日 23時) (レス) id: d825f142fb (このIDを非表示/違反報告)
ウサリボン - ブロッサムさん» この小説大好きです。更新楽しみしてます。 (2020年10月27日 23時) (レス) id: 522e3de4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2020年10月26日 2時
