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綴はすぐに脚本を仕上げて、配役も決定された。
主役は幸で準主役は一成。
幸は座長兼衣装係。
第1回目の公演の時は準主役で、その時も衣装作りが大変だった。
私は改めて気合を入れ直した。
いづみ「負担が重すぎない？大丈夫？」
幸「できる。Aもいるし」
一成「デザインなら俺も相談乗るし」
天馬「俺も夏組リーダーとして、協力する」
三角「俺も助ける〜！」
椋「ボクもできることがあればなんでもするからね、幸くん」
いづみ「そうだね。みんなで幸くんを支えてあげよう」
どの組もそうだけど、以前とは比べ物にならないぐらいに仲良くなっている。
配役が決定すると、すぐに稽古に入った。
いつもならすぐにラフがあがり、すぐに衣装作りに入るんだけど、
幸が珍しく行き詰まっているようだった。
幸に話しかけても、ぼーっとしてしまっていたりしていた。
「私にできること、」
私は何かヒントが得られないか、外に出てみることにした。
気の向くまま、歩いていたので、繁華街までやってきてしまった。
日も暮れてきた頃、
以前、いづみ姉を探しに外に飛び出して行った日のことを思い出すと、急に身震いがした。
また怒られそうなので、来た道を引き返すことに…
「った、」
引き返そうとした時に人にぶつかってしまい、床に手をついた。
「ごめんなさい、」
顔をあげると、柄が良いとは言えないお兄さん達に囲まれてしまった。
私は再び謝り、その間をすり抜けようとすると、手首を掴まれた。
男「待てよ、姉ちゃん」
「すみません、私、」
男「ぶつかったとこ、折れてっかもな〜」
そんなことあるわけないがそうとは言えない。
どうしようか、と悩んでいると、
私を囲んでいた1人の男性が急に倒れた。
男「テメェ、何してんだ」
黒い髪の少年は次々と倒し、私を助けてくれた。
「え、えっと、ありがとう！お礼に何か、」
？「…いい」
私がその男の子に駆け寄ろうとすると、男の子は去って行ってしまった。
呆気にとられていると、後ろから声をかけられた。
その声の主の方を見ると、ゲーセン帰りであろう万里がいた。
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作者名：桜 | 作成日時：2020年1月28日 1時
