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咲也「俺も英語、話せるようになりたいなぁ」
「え、そうなの？」
咲也「英語が話せたら、海外公演の時困らないかなぁって」
やっぱり咲也は咲也だなぁ。
演劇の話をしている咲也はいつもキラキラしている。
「じゃあ、春組の公演が終わったら、英会話授業しよっか」
咲也「本当に？！」
「うん、もちろん」
咲也「うわぁ、ありがとう！！！！」
ぱぁぁぁあ、という効果音が適切だろうと思うぐらいの笑顔。
咲也と居ると私まで笑顔になる。
あっという間に寮に着き、動きやすい服装に着替えに部屋に行った。
そんな時、私の携帯が鳴った。
「もしもし？ 『A！元気？！どうしてるの？！』
『どうしたの、お母さん』
母『どうしたの、じゃない！インステ見たけど、あれなに？！』
インステって…。 若いな、お母さん。
お母さんと話す時は基本的に英語で話している。
お母さんの子育て方針らしい。
でもお父さんと話す時は日本語で話していたので、日本語も話せるようになった。
母『事務所に入ったの？！お母さん聞いてない！』
『入ってないよ』
お母さんはいつもこんな感じ。勢いがすごい。
インステの写真の件を話すと納得していたが、
お母さんの望みは私の芸能界デビューのようだった。
理由は未だにわからないけど、昔から芸能界に入れたがっていた。
後でバレた時が大変なので、雑誌のことと演技の稽古をし出したことを伝えると、ものすごく喜んでいた。
何故演技の稽古を受け始めたのか説明しても、全然聞いていなかった。
電話を終えてすぐ着替え、部屋を出ると紬がすぐ近くにいた。
紬「ごめんね、聞くつもりじゃなかったんだけど、」
「あ、全然大丈夫」
紬「お母さん？」
「うん」
紬は私を呼びに来てくれたらしい。
紬「もし、英語を話すことが恋しくなったら、俺に英語で話していいよ」
「あはは、なにそれ」
紬「もしも、ね」
「シトロンもいるし、大丈夫だよ。ありがとう」
紬「あはは、たしかに」
紬なりに気遣ってくれたのかな。
私がお母さんと話して寂しくなってるんじゃないかって。
「私、寂しいって思ったこと全然ないよ」
紬「そうなの？」
「MANKAIカンパニーに来てから、一度もホームシックになったことない」
だっていつも私の周りには誰かいてくれたし、私にとってみんなも私の家族だって思えるようになったから。
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作者名：桜 | 作成日時：2020年1月28日 1時
