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そのあと私は紬の部屋に行き、丞にも事情を話し、2人から発声の仕方や呼吸などの基礎を教えてもらった。
丞の提案により、翌日から体力づくりも行われた。
朝のジョギングを終わらせ、学校に行く支度を済ませると、私の部屋の扉が開いた。
万里「行くぞー」
「はーい」
私は万里と学校に行き、自分の教室に行くと真澄が廊下で私のことを待っていた。
「どうしたの、真澄」
真澄「A、なんか変」
「なにが？」
真澄「なんで朝、ジョギングしてたわけ」
真澄は鋭い。
ジョギングし始めたのは今日だし、早朝だったから丞以外に誰にも会っていないのに。
「最近、ちょっと太ってきて…」
真澄には心配をかけたくない。
本番の時期は大切だから、自身の公演に集中してもらいたい。
チャイムが鳴り、真澄は私に疑いの表情を向け、教室へ向かって行った。
「…危なかった〜、」
放課後、私は紬と丞との約束がある為、急いで校門へと向かった。
校門で人だかりができていた。その先を見ると…
「至？！」
至「おつ」
女「え、Aちゃんのお兄さんじゃない？」
女「前に見たことある！」
男「美男美女の兄妹とか羨ま」
至が学校に来ると、いつもこうなる。
至「お、来た来た。お疲れー」
咲也「お疲れ様です！至さん、会社はいいんですか？」
至「今日は早退」
真澄「…」
…そういうことか。
至「ごめん咲也、真澄借りてくな」
咲也「はい！」
至「ここ駐車しとけないから、早く乗れよ」
真澄「なんで、わざわざ…」
至「いいから」
真澄は渋りながらも至の車に乗った。
至は私の頭をポンポンと撫でて、またあとでねと言って、運転席に乗り、車を走らせた。
私は咲也と一緒に帰った。
その帰り道、私たちは春組の初公演のロミジュリについて話した。
真澄との距離の詰め方がわからなかったことや至が足を怪我していたことや至が劇団を辞めようとしていたこと、
咲也「本当に色んなことがあったね、」
「ね、」
咲也「あの時、Aちゃん、日本に来たばかりだったから、シトロンさんと英語で話してたよね」
「あはは、お互いに英語で話す方が楽だったからね」
シトロンと二人で話すときは未だに英語で話すけど、英語の時のシトロンと日本語の時のシトロンのギャップに未だに驚いてしまう。
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作者名：桜 | 作成日時：2020年1月28日 1時
