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答えを求めても、見つからないまま、私はお風呂から上がった。
身体を拭いている最中も服を着ている最中も、髪を乾かしている最中だって、考えてみたけどわからなかった。
私は部屋に荷物を置き、誰も居なさそうなバルコニーに行った。
外の空気を吸って、ゆっくりできる場所を求めていた。
バルコニーに着くと、先約がいた。
「あず姉？」
東「A、珍しいね、ここに来るの」
「うん、なんか静かな場所に身を置きたくて」
東「Aも大変だね。僕で良ければ話を聞くよ？」
そうだな…あず姉に話すとスッキリできそうな気がするな、物知りだし。
あず姉に、ここ数日で起こったこと全てを伝えた。
「私って…悪女なの？」
東「はは、そうかもしれないね」
「？！そうかもしれないって」
東「冗談だよ」
「もう、」
東「でもAはかわいいから、みんなが放っておけないんだね」
「？」
東「それで独占欲が出てきちゃったんだね、きっと」
「独占欲？どうして？」
東「Aのことがだいすきだからだよ」
「私もみんなのことだいすきだよ？」
東「んー、そうじゃなくて、女性として魅力を感じてるってこと」
女性としての魅力…？
「それはつまり、身体が目的ってこと？！」
東「違う違う。Aにみんな惚れてるんだよ」
「惚れる…」
東「付き合いたいって思ってるんだよ」
付き合いたい、か。
「どういう感情が付き合いたいって思わせるの？」
東「んー、そうだなぁ、例えば、その人に触れたいって思ったり」
「んー、毎日ハグしてるしなぁ」
東「その人が嬉しそうにしてると、自分も嬉しかったりとか」
「劇団員みんなにその気持ちはあるよ？」
東「んー、じゃあ、その人が異性に触れられていたら嫌だって思ったりすることとかかな」
「なるほど…」
ヤキモチの感情が芽生えたら、独占欲に気づけて、それは＝恋ってことなのか。
「うん、なんとなくわかった！ありがとう、あず姉」
東「うん、少しでもAのこと手助けできたならよかった」
「ありがと」
東「もうすぐ春組の公演もあるし、思い詰めないようにね」
「うん、ありがとう」
じゃあおやすみと言い、あず姉はバルコニーを去って行った。
あず姉に相談して正解だったな。
私も部屋に戻り、ベッドに直行して眠りについた。
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作者名：桜 | 作成日時：2020年1月28日 1時
