Destiny*《ybhk.ybin》

#09 ページ10

八乙女side



「おい、何してんだよ」



どこかで聞いたことのある声。
でもその声は聞いたことある声より低かった。
もしかしてこの人…怒ってる…？



「あ？なんだよてめぇ」


「α、Ωに問わず人間誰でも相手に無断で誰かを襲うことは犯罪だ。そんなこともわかんねぇのか」


「はぁっ！？なんだよ、偉っそうに」


「早くソイツから手を話せ。早くしねぇと警察来るぞ」


「ちっ…仕方ねぇな…行くぞお前ら」



そう言って俺を襲おうとしてた奴らはどっかへ消え去った。



「…大丈夫ですか…って君は…」



この人誰だっけ…
ずっと考えてたことが今解決した。
"薮宏太"だ。



「Ω校の子だよね？どうしてここに…大丈夫？」


「は、はい…大丈夫です…」


「まぁ、まだ何もされてないみたいで安心したよ。…あ、もう真っ暗だし良かったら送ってくよ？」


「い、いや結構です…」


「大丈夫。絶対近づかないって約束するから。俺がついて行きたいんだ。」



こんな強い眼差しで見られたら断ることなんて出来たなかった。"はい"と頷くと薮宏太はふにゃっと笑った。


一定の距離を約束通り空けたまま薮宏太はしっかり俺を家まで送ってくれてる。

そういや昔も同じようなことがあった時"この距離以上近くには行かないから"と言って家まで送ってくれた人がいたな…って4年ほど前の微かな記憶を懐かしんで静かに歩いた。

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