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#06 ページ7

伊野尾side


別に俺が被害に遭った訳じゃないし
俺が怒る理由もない。ただ今回の光は光ではない気がした。



最初にあった時、全然心を開いてくれず愛想笑いしかしてくれなかった。そんくらい光はガードが堅く、簡単に相手を許すなんてしないはずだ。…そう思ってた。というかそんな性格だ。



「なんでかな…わかんないや」



そう曖昧に答えて俺の前を歩いていった光は
自分で自分を疑っているような納得いかない様子の顔だった。

"このままでいいのだろうか"そんなことを考えているような顔。
それは、初めて俺が光を見た時_
光が屋上から飛び降りようとしたあの日の顔と同じで"孤独"を表す瞳にも見えた。



「あの…!!」


と、後ろから声がして振り向くとαの人が立ってた。



「俺、薮宏太。もしあの人に万が一の事があったら連絡してほしい。」



真剣な眼差しで目を逸らさずにそう伝えてきた薮宏太。その手には電話番号が書かれた紙。


αはΩより頭脳的にも何に対しても常に勝っていて、αにとってΩは下っ端のような…奴 隷のような存在。それなのに何故この人はΩを大切にしようとするのだろう…そんな俺の考えを見透かすように薮宏太が言った。



「自分より能力が劣ってると思う人を奴 隷にするのではなく、助けること。それが人として当たり前何じゃないかな…って俺の考えだよ。」




誰の考えでもない。自分の考えで生きている。
羨ましかった。素敵だった。尊敬した。
この人はαやΩ、β関係なく"1人の人"として考えているんだ。







"どうやったら愛してもらえるのかな"



"愛ってなんなんだろうね"





ねぇ光。きっとこの人なら教えてくれるよ。
"愛"と縁のない俺たちに本当の"愛"を教えてくれる。そんな感じがしたんだ。



光もそう思ったんでしょ。


"本当はいい人なのかも"って。

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涼空ーSuzuraー(プロフ) - Chacoさん» コメントありがとうございます!!!Chacoさんの作品読んでいたのでコメント貰えてとても嬉しいです!!亀更新ですがこれからもどうぞよろしくお願いします!! (2018年7月17日 20時) (レス) id: 11ce629f49 (このIDを非表示/違反報告)
Chaco(プロフ) - とても誠実な薮くんといのひかの今後の展開がとても楽しみです!光くんの過去もとても気になります!!更新頑張ってください!! (2018年7月17日 18時) (レス) id: ebaa553a11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涼空-Suzuka - | 作成日時:2018年6月24日 19時

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