15.死ぬんじゃねぇぞ ページ40
ｶﾞﾗﾝ...
最後の1本が天井から滑り落ちる。
私はそれを少し離れた場所から見ていた。
『い゛っ.....はぁっ...!!』
息が上手く吸えない。鉄パイプが落ちて来る直前、誰かが私に強く突進したせいで、思いっきり背中を強打したのだろう。
まぁ、そのおかげで、私は今無事なのだが。
『っ...』
頭を擦りながら顔を上げると、黒いスーツが目に入る。バーボンじゃない、誰ーー!?
「あんた!! 何やってんだよ!?」
『む.....村田!? ｯ!』
意外すぎる人物の登場に慌てて立ちあがろうとすると、足首にズキンと鋭い痛みが走る。
「ったく、そんな高いモン履いて来るからだろ!?」
足首に村田が優しく触れる。
一体どういう...
「あんた、上のアレ気づいてなかったのかよ」
『あ、れ?』
「鉄パイプだよ! 予め落ちるように設置してあったんだ。お前それでもマリーか!? ...取り敢えず折れてはないみたいだな。」
村田が立ち上がり、私に手を伸ばす。
その手はとても温かかった。
『...そうだ、零は!?』
「ここで降谷と待ち合わせしてたのか?」
『うん...』
「うん、って...オイオイ。」
やれやれ、と言わんばかりに村田が頭を抑える。
その瞬間、
ﾋｭﾝ
耳元を何かが掠める。
柔らかい黒髪がひと房、はらはらと舞い落ちた。
「今の...オイ、走れ!!」
ﾊﾟﾘﾝ
倉庫のガラスが音を立てて割れる。
「クソ、こいつら所構わず発砲しやがる...とりあえず逃げるぞ!!」
『えぇ』
「!!.....なるほどね」
『何?』
「あんた、この音聞くとスイッチ入るのか」
『はァ? ごちゃごちゃ言ってると死ぬよ!』
「はいはい...!」
.
.
.
「はぁっ、はぁ...撒いたか?」
『いや、ここもすぐ見つかる。』
ふぅ、と大きく息を吐き出し、呼吸を整える。
『何故変装に?』
真っ直ぐ暗闇を見つめながら、ずっと気になっていたことを村田に尋ねる。
有希子さんの変装
バレるはずなんてないのに。
「...実は、あんたのことつけてたんだよ。」
...やっぱりか。
「降谷の処分をお前が引き受けるなんておかしいと思って...お前の部屋から全く知らない女が出てきた時はビビったよ。」
え?
『流警視の指示で、私をつけてたんじゃないの?』
「はァ?なんで流さんが関係あるんだよ。」
『だってアンタ、黒田さんの後任のあの人とズブズブなんでしょ?』
「まさか。俺だって一警察官だ。ヤバいと思ったら手を引いてる。」
『じゃあ、あの噂は?』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 225人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キャラメル(プロフ) - めっちゃ面白いです！続きが気になります！！更新頑張ってください^_^ (2020年5月25日 14時) (
レス) id: b8ac5a9a04 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ありがとうございます!更新したので是非よろしくお願いします〜! (2020年3月3日 17時) (レス) id: c49d02c4c7 (このIDを非表示/違反報告)
ココアパウダー(プロフ) - このシリーズほんとに大好きです！更新楽しみです！ (2020年3月2日 16時) (レス) id: 4ae5dd86b4 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 紅坂紅子さん» ありがとうございます(；；)嬉しい(；；)…更新頑張ります!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: 26eda5a043 (このIDを非表示/違反報告)
紅坂紅子(プロフ) - 言葉遣い、好きです。更新楽しみにしてます。 (2020年1月26日 2時) (レス) id: 07a06c2ab3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はな | 作成日時：2020年1月25日 11時
