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「最終的な"実際の"死者はいませんでした。」

現場の焼け跡を眺めながら、風見は静かに言った。

それは、この爆発火災で死んだ人はいなかった、という意味だが、言い換えると...

『零の遺体は見つからなかった、と。』
風「えぇ、未だ行方不明です。」

行方不明、か。

『...で、上はこの騒ぎに乗じて"安室透"を殺したワケね。』
風「ご名答です。」

スマホのニュースを見つめる。

"米花町でマンション爆発 住人1人犠牲"
"昨日午後4時頃、米花町のマンションで爆発があり、住人の安室透さん(29)が死亡しました。"

随分と仕事が早いことだ。

スマホをの画面を切って、ポケットに入れる。

遺体が見つかっていない。
それは私にとって、大きな支えとなっていた。


恐らく彼は生きている。


何の目的で彼が私や公安の前からを身を眩ましたのかは分からないが、どこかで生きてくれさえすれば、私はそれで十分。

風「Aさん、」
『分かってる。私は零が生きてさえいてくれれば、それでいいけど.....』


『上はそうも行かないんでしょう?』


彼は"ゼロ"


国家機密を大量に握った人間が、自分の監視下から消えた。

上層部は非常に焦っているだろう。

風「そこで、非常に酷ですが...」
『探せと、私に』
風「貴方と降谷さんは、並々ならぬ関係でした。探すならあなたが適任かと。」
『でも、私が逃がしたという疑いは? あぁ、今わかったわ...風見、』


『あんたは、私の監視役ね。』


風見の目が見開かれる。
こんなに表情に出やすい捜査官など、本当に駄目だ。

風「Aさん...」
『気にしないで、私もこの組織の一員なんだからそれくらい分かる。』

火災現場に背中を向ける。


『探すよ、"降谷零"を。公安警察の維新にかけて。』
風「はい...」


そうして歩きだそうとした瞬間、

「すいません!」

女の声が聞こえて振り向く。

そこには、白い犬を抱えて、今にも泣き出しそうな顔をした女性が立っていた。

「あの、安室さん、亡くなったって本当ですか?」

あぁ、そうか。
この人は多分、零が働いていたポアロの店員だ。
確か名前は、"梓" といっていただろうか。

『えぇ、残念ですが...御家族の方ですか?』
梓「いえ、私はただの同僚で...」
『あの...その犬って、』
梓「あ、ハロちゃんです。」

ハロが私を見つけて、キラキラとした目を向ける。

梓「わ、ハロちゃん、お姉さんのこと大好きみたいですね! 人見知りしやすいのに...」
『あ、あはは...』

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キャラメル(プロフ) - めっちゃ面白いです!続きが気になります!!更新頑張ってください^_^ (2020年5月25日 14時) (レス) id: b8ac5a9a04 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ありがとうございます!更新したので是非よろしくお願いします〜! (2020年3月3日 17時) (レス) id: c49d02c4c7 (このIDを非表示/違反報告)
ココアパウダー(プロフ) - このシリーズほんとに大好きです!更新楽しみです! (2020年3月2日 16時) (レス) id: 4ae5dd86b4 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 紅坂紅子さん» ありがとうございます(;;)嬉しい(;;)…更新頑張ります!! (2020年1月27日 7時) (レス) id: 26eda5a043 (このIDを非表示/違反報告)
紅坂紅子(プロフ) - 言葉遣い、好きです。更新楽しみにしてます。 (2020年1月26日 2時) (レス) id: 07a06c2ab3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2020年1月25日 11時

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