Code.55 "銀の滝" ページ8
"一瞬で確実に殺せる"
"一瞬で苦しませることなく殺すことが出来る"
未だに彼女の真意は分からない。
でも、俺はなんとなく分かる。
この女は優しい。
恐らく後者
『...ん、ふふ』
夢の中で幸せそうな彼女の頬にかかった髪に触れる、ひと房指で掬う。
ジ「お前を置いて死んだ馬鹿野郎は、一体どんなやつだったんだろうな」
その髪に軽くキスをする。
恋なんて、馬鹿馬鹿しいな、マリー
ジ「カードで」
バーテンダーに告げ、彼女をおぶる。
恐らく会計はすぐに終わるだろう
『...ひろ、み、つ』
ジ「...それが奴の名前か?」
返事はなかった。
「ジン、これ使えないぞ」
馴染みのあるバーテンダーの彼がそう言った。
ジ「なに?そんなはずはない。」
「...けど、何度やってもエラーなんだ」
おかしい
口座には少なくとも1000万は入ってるはず...
ジ「悪いが、つけといてくれるか。手持ちがなくてな...好きな女に払わせる訳にもいかねぇし」
「了解」
バーテンダー少し微笑むと、ベルのついたドアを開けてくれた。
冷たい空気があたりに張りつめる。
季節は冬、もう12月になっていた。
.
.
.
『...』
あまりの驚きに、声を出しかけて引っ込めた。
服は着てはいるがバスローブだ。
挙句の果てに隣にいるのは...
『ジン...!』
昨日の記憶がない。
もしかして、いや、もしかしなくてもこれは...
『やっちゃったパターン...』
すやすやとこちらを向いて眠る彼を見つめる。
この目元の銃創、ライが付けたものだろうか
それから彼の銀髪をひと房掬う。
どうか、彼が愛を知ることが出来ますように
そんな祈りを込めて銀色の髪に軽くキスをする
今世は無理でも、せめて来世で...
「随分と可愛いことをしてくれるじゃねえか」
ﾋﾞｸｩ
慌てて起き上がろうとするも、ジンが私の肩を無理やり抑え、押し倒される。
『...ぁ、』
ジンの銀髪が滝のように私に降っていて、思わず見惚れてしまう。
『ね、ねぇ、私達、ほんとに、』
ジ「あぁ。随分と可愛い声で啼いてくれて、可愛かったぞ」
想像してぶわっと顔が熱くなる。
嘘、じゃあほんとにーー
ジ「はぁ...」
ジンが私の上からどくと、彼はベッドの縁に座り、窓の外を眺めた。
ジ「...やるわけねぇだろ」
『で、ですよね〜〜!!』
焦った...
ジ「なぁマリー、お前財布持ってるか?」
『え、あるけど』
ジ「ホテル代、払っておいてくれ。後で返す」
Code.56 "後のこと"→←Code.54 "最後の夜"
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 211人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな(プロフ) - にぃーさん» ありがとうございます!励みになります(;_;) (2019年11月8日 19時) (
レス) id: 7c73f8d369 (このIDを非表示/違反報告)
にぃー - ほんまに早く読みたい！めちゃおもしろいです更新楽しみにしてます！ (2019年11月4日 19時) (レス) id: def134aac7 (このIDを非表示/違反報告)
純花 - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2019年10月19日 19時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月19日 16時) (レス) id: c80821aeaf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はな | 作成日時：2019年9月6日 11時
