Code.70 "炎" ページ24
渦をまいて燃え上がる炎に思わず眉を顰める。
少しだけ恐ろしくなって、彼のコートの裾をぎゅっと握ると、彼は大丈夫、と言うかのように私の手を握り返してくれた。
灰「...駄目ね」
階下へ向かって燃え上がる室内の階段を見つめる。
慎重に25階まで降りてきたというのに。
コ「...外に賭けよう」
真反対にある外の階段へ向かって歩き出す。
ごうごうと燃えあがる炎の隙間を歩く。
コ「くっ、」
天井がはらはらと崩れてきて慌てて避ける。
恐らく外の階段は下の方になれば生きている。工藤くんのベルトを使えば2階下くらいまでは降りられるだろう。
非常扉が見えて、手を繋いだ彼と走り出す。
あと少し、あと少しだ。
そう思った瞬間、扉から誰かが出てきて、行く手を阻まれる。
灰「っ、誰!?」
慌てて拳銃を構えようとするも、一足早く銃口を向けられてしまう。
コ「っ、」
工藤くんが私の前に立つ。
赤い爪に薔薇の拳銃、まさか...!?
その瞬間、天井が崩れてきて、あわててマリーが工藤くんの腕を引く。
灰「工藤くん!!」
慌てて手を伸ばすも、崩れてきた天井によって彼と分断されてしまう。
ガラガラと音を立てて崩れ続けている残骸を呆然と見つめ続ける。
灰「あ、あぁ、そんな...」
マリーと一緒だなんて、そんなの、もう...
.
.
.
『っ、怪我は!?』
コ「大丈夫だよ」
『そう...』
コートに着いた埃をはたき、ため息をつく。
...まずいな、まさかマリーと一緒になるなんて
ここから外の階段へ行くルートは使えない。
となると、中の階段だけだ。
だが、どうにかして彼女を振り切らなければーー
『君、どうしてここに?』
コ「ッ、」
尋ねられて何も言えなくなる。
彼女の髪が熱風でゆらゆらと揺らめいていた。
コ「お姉さん、マリー、だったよね」
『えぇ』
コ「...!?」
ポケットに手を入れて呆然とする。
USBが、ない...!
『探しものはこれかしら』
そう言って彼女は黒いUSBをひらひらと振って見せた。
『ジンからこれを盗むなんてねぇ...やっぱり幼児化してたのか。でも、』
銃口を向けられる。
マズい、
『無事に帰す訳には、いかないな』
クソ、麻酔銃を今から向けたところで、先に頭をぶち抜かれて終わりだ。
蘭...
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はな(プロフ) - にぃーさん» ありがとうございます!励みになります(;_;) (2019年11月8日 19時) (レス) id: 7c73f8d369 (このIDを非表示/違反報告)
にぃー - ほんまに早く読みたい!めちゃおもしろいです更新楽しみにしてます! (2019年11月4日 19時) (レス) id: def134aac7 (このIDを非表示/違反報告)
純花 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月19日 19時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月19日 16時) (レス) id: c80821aeaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年9月6日 11時