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Code.67 "小さな体" ページ20

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灰「面倒なことになったわね」


彼女は安室さんが立ち去ってから、開口一番そう言った。

灰「それ、私が持っておくわ」

拳銃を渡すと、灰原は慣れた手つきでそれを弄る。彼女の小さな白い手に、それはとても不釣り合いだった。

灰「まさかAPTX4869の解毒剤が作られるほど実験が進んでいたとはね。流石、機材の充実した組織のラボ、と言ったところかしら」
コ「あぁ。それよりも厄介なのはそのデータをよりによって、あのジンが持っているという事だな。」

エレベーターの上のボタンを押すと、直ぐにドアが開いた。23の数字が書かれたボタンを押し、深呼吸をする。

灰「25階よね?」
コ「あぁ。途中から階段で行こう」

安室さんの話だと確かセキュリティがいるはず。
唯一それが甘い、ということが考えられるのは非常階段...

コ「作戦はこうだ」

コ「まず25階にある消化器をある限り集める。その後、その消化器を灰原がエレベーター側のドアから部屋に向かって放出する。そうして奴らの視界を奪った隙に俺が忍び込んでジンのポケットからUSBを取り出す.....まぁ、一か八かの作戦だが、それくらいしか思いつかねぇ。」
灰「いい作戦とは言えないけど、...いいわ、その作戦、乗った。」

灰原がふふ、と楽しそうに笑う。

コ「...何笑ってんだ?」
灰「ううん、なんでもない。」

チーン

エレベーターが23階に到着する。

コ「...じゃあな」


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安室透に貰った拳銃を見つめる。
彼がNOCであることは、随分前に工藤くんに聞いた。

灰「...んっ、重っ」

消化器を抱え、入口の角へ運ぶ。
小さくなった体には、それはとても重く感じた。

コ「灰原、5分後に作戦開始だ。」
灰「了解。それよりも、この爆弾の量、巻き込まれたら確実に死ぬわよ。異常なほど設置してあるわ。」
コ「...まぁ、安室さんの言い方だと早々爆弾が爆発することは無いと思う。」
灰「...じゃあ、タイミングを見計らって消化器を噴射するから、よろしくね」

探偵団バッジの無線を切り、ポケットにしまう。
もし私が元の姿に戻れたなら、これを使う機会もなくなってしまうのだろうか。

あの子達にも、近いうちにお別れをしなければ

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はな(プロフ) - にぃーさん» ありがとうございます!励みになります(;_;) (2019年11月8日 19時) (レス) id: 7c73f8d369 (このIDを非表示/違反報告)
にぃー - ほんまに早く読みたい!めちゃおもしろいです更新楽しみにしてます! (2019年11月4日 19時) (レス) id: def134aac7 (このIDを非表示/違反報告)
純花 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月19日 19時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月19日 16時) (レス) id: c80821aeaf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2019年9月6日 11時

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