code.49 "ポアロ" ページ2
あれから2ヶ月
零からは何の連絡もなかった。
『...はぁ。』
スマホをを眺め、ため息をつく。
連絡が来ないって、こんなに辛いなんて。
『反省しよう...』
午後1時
いい加減スウェットを脱ぐ時間だ。
青いフリルのワンピースに着替え、メイクをする。
気分転換に買い物にでも行こう。
鞄に拳銃と財布とスマホを入れ、黒いピンヒールを履き、家を出る。
さすがは平日の昼間、人が少ない。
まぁ、そっちの方が好都合なんだけれど。
そうして少し歩き、軽く昼食を取るために近くにあった喫茶店に入る。この喫茶店、美味しいって噂で前から来たかったんだけど、なかなか機会がなかったんだよなぁ。
「いらっしゃいませ〜」
カウンターに座ると、店員さんがお冷を置いてくれた。雰囲気のいいお店だ。
『じゃあ、このハムサンドとアイスコーヒーくださ.....は?』
店員の顔を見て、ぎょっとする。
『...なにやってんの?』
「こっちのセリフだ。」
誰もいない店内で、金髪の彼と2人で固まる。
『...とりあえず、ハムサンドください』
「かしこまりました」
...全くわからない。
どうして彼ーー零がここに居るんだ。
ちらりとカウンターの奥にいる彼を見る。
まあ、とりあえず無事で良かった。
「お待たせしました」
そうして彼はアイスコーヒーとハムサンドを私の前に置くと、私の横の席に座った。
『...説明して』
「"僕"の名前は安室透。ここ、喫茶ポアロでアルバイトをしながら、上の毛利探偵の弟子として探偵業をしている27歳。」
『OK、理解』
とりあえず、サンドイッチを頬張る。
『...うんま、なにこれ』
安「僕の力作だよ」
さすが零だ。
『.....連絡がないとこうも心配になるのかと身に染みました。』
安「ふっ。それはそれは、よくお分かりになりましたか。」
嫌味ったらしい彼の言葉は無視して、もぐもぐとサンドイッチを食べる。美味しい...
安「というか、Aは何やってたんだ」
『ん?アメリカいた』
安「まさか、アメリカで起きた組織関連のやつは全部...」
『うん』
はぁぁぁ、と彼が頭を抱える。
それすらも様になるのだから、恐ろしい男だ。
『そういえば、この前みんなの墓参りに行ってきたよ』
安「...そうか」
彼は一言、そう呟くと、自分の分のお冷を注いで、1口飲んだ。
安「僕も早く行かないとな...」
.
.
.
ーーーーー
『でも、ほんと零が無事でよかった』
彼女は珈琲を半分ほどまで飲むと、僕ーー安室透を見ずに、ぼそりと呟いた。
211人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな(プロフ) - にぃーさん» ありがとうございます!励みになります(;_;) (2019年11月8日 19時) (レス) id: 7c73f8d369 (このIDを非表示/違反報告)
にぃー - ほんまに早く読みたい!めちゃおもしろいです更新楽しみにしてます! (2019年11月4日 19時) (レス) id: def134aac7 (このIDを非表示/違反報告)
純花 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月19日 19時) (レス) id: ba5f7bf38b (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月19日 16時) (レス) id: c80821aeaf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はな | 作成日時:2019年9月6日 11時