code.5 "噂" ページ6
『ありがとう』
そう呟いて、銃を胸ポケットに直す。
ピンポーン
...誰だ
ドアスコープ越しに人影を確認する。
『...入って』
ス「お邪魔します...」
かなり疲れた顔をした2人をソファに座らせ、お湯を沸かす。
『顔、死んでるよ?』
ス「あぁ...いや、あんなに間近で人が死ぬの、初めて見たから。」
ピーッ、とお湯が沸き、カップにコーヒーの粉を入れ、お湯を注ぐ。
『そっか。2人とも殺しは初めてだもんね。...まぁ、飲みなよ』
相変わらず下を向いている2人の前にティーカップを置く。
『私も、初めての時はそうだったよ』
ス「え?」
『手が震えて、怖くて、眠れなくて。それに、真っ赤に染まった自分の手が忘れられないから何度も手を洗ったのをよく覚えてる。』
バーボンがコーヒーを一口飲み、ふぅ、とため息をついた。
バ「全部、話してもらおうか」
『え?』
バ「僕達をここに呼んだってことは、ここには盗聴器も何も無いことは確認済みなんだろう?マリーの時間は終わりだ。...A」
まっすぐとバーボン...零が私を見つめる。
こういう時の零からは、絶対に逃げられない。
『分かったよ。騙して悪かった。ごめん。』
降「ほんとだよ。お前、地方の捜査一課に配属になったんじゃなかったのか?」
『だって、二人共私が潜入捜査するって言ったら心配するでしょう?』
景「まあ、そりゃあそうだけど...俺達心配したんだからな!?Aが急に音信不通になるから。同期の間じゃ"お前は死んだ"って噂になってるぞ!」
『えへへ...ごめん、景光...』
ふん、と怒ったようなふりをする景光に思わず笑みが漏れる。懐かしいなあ。たった半年会ってなかっただけなのに。
『それより、零と景光が来たってことは、もう潜入捜査は、公安の中では完全にオープンなのね?』
降「あぁ。一応僕と景光だけが潜入してることになってる。Aが潜入してることは誰も知らなかったぞ?ましてやお前、組織の一員としてロックオンされてるし。」
『うん。私の潜入は完全な秘密裏に動いていることだから、誰も知らないはずだよ。だから、』
降「分かってる。内密に、だろ?」
スコッチがこくりと頷く。
部屋には珈琲の香りが充満していた。
景「ちょっと御手洗に行ってもいいかな?」
『うん、そこだよ!』
彼がトイレに行き、零と二人きりになる。
降「おい...」
『何』
降「相変わらずだな、お前ら」
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iwa(プロフ) - ひろみつくん救済したかった。話変わってしまいますが。でも、これからどんどん引き込まれてよんでいきます。 (2020年3月13日 13時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
ベス - エリザベス女王は本当は女王になる予定ではなかったんです。男の子が亡くなり、姉のメアリーも卵巣がんで子供は出来ず想像妊娠となったんですよね。ターンリー卿の暗殺も偽造で無実だったんです。調べてみるとまた違う形が見えてくるかもですよo( ^_^ )o (2019年6月26日 22時) (レス) id: e7c063a61b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ベスさん» わぁ、すご...ほんと勉強になります!まだまだ知らないこといっぱいなので、私も調べてみようかな...(..) (2019年6月26日 18時) (レス) id: 476e83acac (このIDを非表示/違反報告)
ベス - 私、メアリー好きなんですよね…ちなみにエリザベスのお母さんのアン・ブーリンの妹もメアリー、エリザベスの異父姉もメアリーの名前ですね。愛され知らずのメアリーがどうしようもないフェリペを好きでその人の為に動いてしまう所も好きですね!♪♪ (2019年6月24日 21時) (レス) id: 137d2adbf4 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ベスさん» 凄い、私もそこまで知りませんでした!そうみたいですね、勉強になりました!ありがとうございます〜( *˙˙*) (2019年6月24日 7時) (レス) id: 476e83acac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年6月12日 8時