【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

Code.43 "少年" ページ44

はぁ、と辺りを眺めながら夕陽で赤くなった空の下を歩く。

米花に、帰ってきたなぁ...

家の近くのスーパーに入り、ぼーっと物色する。そうだ、今日は塩鮭と味噌汁にしよう。和食が食べたい。

大体ジンも人使いが荒すぎる。
帰国して早々尾行調査なんて。

日本に来て2日。
キャリーケースを置きに一瞬家に帰れたものの、くつろぐ時間なんてなかった。

じゃがいもをカゴにぶち込む。
次はにんじんだ。

さぁて、どれにしようかなーー


ｷｬｧｧｧｧ!

『!?』

悲鳴が聞こえる。
な、なんだ?

手に取りかけていた人参をとりあえずカゴに入れ、叫び声が聞こえた方へ歩くと、前方で倒れている人に声をかけている男の人の姿が見えた。

「...ダメだ、死んでる。今すぐ店の入口を封鎖してください!これは殺人事件です!」

...まずいな

腰の拳銃あたりにちらりも目をやる。
ちょうど丈が長めのカーディガンで隠れて見えないから大丈夫だろう。


.


.


.

どうやら犯人はあっさり見つかったらしく、身体検査は行われなかった。不幸中の幸いだ。

下を向いた犯人が連行される。


人を殺していいことなんて、ひとつも無いのに。


それから、刑事達と会話をするその男を見る。

"毛利小五郎"
まあまあ有名なその男が今回の事件を解決したらしい。けど、本当は...

その横に居る小さな男の子を見つめる。
まだ小学校一年生くらいだろうか。

犯人が残した証拠を毛利小五郎が気づくように仕向けたり、何かとヒントを与えて事件の解決の糸を裏で引いていたのは間違いなくあの男の子...
一体何者ーー

?「お姉さん!」
『ん...どうしたの?』

その子が私の前に来たので、合わせてしゃがむと、彼は私にこそこそと耳打ちし始めた。


「その腰についてるの、さっきからチラチラ見えてるよ?」
『!?』

しまった、この男の子に合わせてしゃがんだせいで、セーターがめくれてーー

?「ねぇ、お姉さん何者?」
『...ふふふ、あなたこそ一体何者なの?』
?「やだなぁお姉さん、僕はただの子供だよ?」
『子供にしては随分頭が切れるようだけど』
?「うーん、僕よくわかんないや。ねぇ、教えてくれないの?なら、おじさんに教えてーー」

男の子の口を抑える。
子供相手にあんまり乱暴なことしたくないんだけどなぁ...

『君の知りたいことを一つだけ教えてあげる。それで相打ちにしてくれないかな?』

その子は少し考えたあと、1度だけこくりと頷いた。

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