【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

code.40 "探り屋バーボン" ページ42

『ねぇ、今なんの任務してるの?』

ほくほくのじゃがいもを頬張りながら尋ねる。

降「今はシェリーを探してる」
『シェリー、あぁ。』

明美ちゃんの妹か

降「どうして?」
『いや、零、最近急に有名になったから』


『"探り屋バーボン"』


そう呼ぶと、彼はフッ、と薄く笑った。

降「"ブラッティ・マリー"には負けるさ」
『あら、ありがとう』

最後の一口を飲み込み、烏龍茶を飲む。

降「そういうお前は、今何をやってるんだ?」
『あー...この右腕のせいで今は情報整理だけ。それと、』
降「それと...?」


『ジンの身元の特定をやってる』


そうすると、彼はスプーンを落とす。
カーンと金属がぶつかる音がした。

降「おい、A、」
『この前、ジンにハンカチを借りたの。それに、"Gin.K"って刺繍してあったの。』
降「まさか、それって」
『えぇ。多分それがジンの本名よ。だから、風見に頼んで、名前が"じん"、苗字がKの日本国籍の男性のリストを作ってもらったの』
降「でも、それだけじゃあまりにもデータが膨大すぎる。まさか、それを1人で?」
『えぇ、全部やってるわ』

零が絶句する。

『おかげで、ジンくらいの年齢の男性の数は約1500人にまで絞れた。』
降「1500っ...相変わらずだな」

うわぁ、と零がドン引きした顔をする。

降「まぁ、バレないようにうまくやれよ」
『分かってる。恐らく、ジンは組織壊滅に繋がる大きな鍵...こんなチャンス、滅多にないわ』

零が最後の一口を食べ終え、麦茶を1口飲む。

『ところで、シェリーって何やってたの?』
降「あぁ、何か薬の開発、とだけは聞いているが...よく分からないな」
『ふぅん...』

なるほどねぇ、薬、か。
もしかして、

『それって、不老不死の薬、とかじゃない?』
降「え?」
『噂で聞いたことがあるの。その薬は"時間の流れに逆らうもの"だと。』

零がうーん、と顎に手を添え、考え出す。

降「僕は幽霊とか、そういう非現実的なものは考えないことにしているんだが、Aまでそう言い出すとはな...」
『Aまで?他に誰が、』
降「ベルモットだ。」

ベルモット...!

じゃあ、恐らく彼女が歳を取らない理由は、


『...零、その任務やばいかも』
降「ん?」
『そのシェリーって子、恐らくこの組織の存在目的にも関わるくらいの大物よ。とにかく、慎重にね』
降「そうか。あ、それと...」

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