code.26 "日本に" ページ27
降谷side
風「Aさん、ちょっと危ないかもしれないです」
降「危ない?」
彼の亡骸を背に、暗い夜空を見上げながら彼の声を聞く。
風「降谷さんのこと、"バーボン"って言ったんです」
降「"バーボン"...」
風「Aさんは、俺の前じゃ零って呼んでたんです。だから、」
「彼女、相当追い詰められてるんじゃ」
俺のことを、"バーボン"、か。
降「諸伏の遺体を回収後、僕はすぐに日本に帰国する。風見は今すぐ彼女の家に向かえ。Aから目を離すな。いいな?これは僕の命令だ」
風「了解です」
通話を切り、彼のまだ温かい亡骸の前にしゃがみ、赤く染った左胸に手を当てる。
降「ヒロ、」
「帰ろうか、俺達の日本に」
.
.
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ーーーーー
『なに...』
風「すいません、朝早くから」
『いいから入って』
ふわぁ、と欠伸をしてソファに座る。
『あぁ、そこ、座っていいよ』
風「失礼します!」
時計を見る。
午前6時、なかなか眠れないまま、もうこんな時間になっていた。
『なに、こんな朝早くから』
風「降谷さんからの命令で、あなたから目を離すな、と言われたので」
『零から...なるほどね』
恐らく、私が後を追う、とでも考えたのだろう。
『大丈夫よ、私は死なない。というか、まだ死ねない。』
風「そう、ですよね」
風見が下を向いて、苦笑いをする。
『実はね、景光が死ぬ直前に、電話が来たの』
ぽつり、と話すと、彼はハッと顔を上げた。
風「諸伏さんは、なんて、」
『別に何も。ただ、様子がおかしかったから、何かあったのだとは思っていたのだけれど...まさかこんなことになるなんて』
頬杖をつきながら、風見をじっと見る。
あぁ、なんだか眠くなってきた。
『風見』
風「はい」
『時間ある?』
風「はい。今日はAさんの家に1日いるつもりだったので」
『え、そうなの?』
風「そんな嫌そうな顔しないでくださいよ...」
そんな彼の班のつに、思わず笑ってしまう。
『ううん、ごめんね。じゃあ、私は今から眠るから、ずっと傍にいて欲しいの』
風「へ?」
ぽかん、と口を開け、彼が驚く。
『なに、そんなに嫌?』
風「あぁ、いや...」
そうして、私はソファに横になり、ブランケットを被る。
『じゃ、おやすみ』
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iwa(プロフ) - ひろみつくん救済したかった。話変わってしまいますが。でも、これからどんどん引き込まれてよんでいきます。 (2020年3月13日 13時) (レス) id: d46b647962 (このIDを非表示/違反報告)
ベス - エリザベス女王は本当は女王になる予定ではなかったんです。男の子が亡くなり、姉のメアリーも卵巣がんで子供は出来ず想像妊娠となったんですよね。ターンリー卿の暗殺も偽造で無実だったんです。調べてみるとまた違う形が見えてくるかもですよo( ^_^ )o (2019年6月26日 22時) (レス) id: e7c063a61b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ベスさん» わぁ、すご...ほんと勉強になります!まだまだ知らないこといっぱいなので、私も調べてみようかな...(..) (2019年6月26日 18時) (レス) id: 476e83acac (このIDを非表示/違反報告)
ベス - 私、メアリー好きなんですよね…ちなみにエリザベスのお母さんのアン・ブーリンの妹もメアリー、エリザベスの異父姉もメアリーの名前ですね。愛され知らずのメアリーがどうしようもないフェリペを好きでその人の為に動いてしまう所も好きですね!♪♪ (2019年6月24日 21時) (レス) id: 137d2adbf4 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ベスさん» 凄い、私もそこまで知りませんでした!そうみたいですね、勉強になりました!ありがとうございます〜( *˙˙*) (2019年6月24日 7時) (レス) id: 476e83acac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年6月12日 8時