【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

code.25 "スコッチ" ページ26

『スコッチ、ニート』
「お客様、もう10杯目でー」
『うるさい!早く持ってきて』

ことん、とグラスが目の前に置かれる。

『...ごめんなさい。ちょっと席を外してくれるかしら』

あぁ、彼女に喚いても、何も変わらないのに。

静かなバーの中に、1人取り残される。
スマホを取り出し、彼に電話する。

「...もしもし」
『風見、今から言うことを落ち着いて聞いて』


『景光が死んだわ』


電話先の彼は絶句したらしく、何かを落とす音が聞こえた。

風「今、なんて、」
『組織に潜入していた諸伏景光が、NOCだとバレて殉職した。』


『ただ、それだけの事よ。』


風「情報源は...Aさんが見たわけじゃないんでしょう!?」
『ジンよ。100%確実ね』

彼はかなり動揺しているらしく、ガタガタと何かにぶつかっていた。

『あとは""バーボン""に聞いて。じゃあね』

無理やり通話を切った後、スマホの電源を落とす。
さぁ、帰らなければ

『会計、これで』
「え、多すぎます、」
『さっき喚いてごめんなさい。そのお詫びよ』

バーのドアを開ける。

「お、お客様、外は雨が降っていますのでタクシーをー」
『必要ないわ』

バーテンダーを振り切り、歩く。


"高校の時からずっとAのこと好きで"


激しい雨が私を打ちつける。


"いっつも見てて、本当大切で"


逃げられないと分かっていても
せめて私を呼べば、私なら、


"じゃあな!A、愛してる。それと"



何度も血を流してきた、私なら、



"幸せになれよ"



貴方を、守れたのに。



.



.



.


ｰｰｰｰｰ
風見side


黒田さんに電話したあと、慌てて彼に連絡をする。

降「僕だ。どうした」
風「降谷さん、大丈夫ですか」
降「聞いたのか...僕は大丈夫だ。」

暗い声の彼は、電話越しでも分かるほど、力無くそう言った。

確か、降谷さんとAさんは、警察学校よりも前からの付き合いだと言っていたな...

風「あの、諸伏さんは、」
降「自 殺だ」
風「え、」

自 殺、だと?
Aさんの話じゃ、殺されたんじゃ...

降「拳銃で携帯ごと胸を撃ち抜いたんだ。ただ...」
風「ただ、?」

降「あいつをーーヒロを死に追い込んだのは、紛れもなくあの男だ。」

あの、男?

風「降谷さんーー」
降「ライ」

降「ライについて、調べてくれるか」

ライ...組織のスナイパーか。

風「分かりました。」
降「頼んだぞ」
風「あ、降谷さん!」

そうだ、あのことを伝えなければ。

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