【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

code.23 "馬鹿みたい" ページ24

『見たよ』

いつの間にか起き上がっていた彼女が、服を着ながらそう言った。

降「...何があった」
『別に』
降「お前がそんな顔するなんて、ただ事じゃない」

それに、あれを書いたのは...

『そっちこそ、何かあったの?』

髪を結びながら背中越しに尋ねる彼女に、何も言えない。

『...あったんだね』



降「ヒロが、かつての同期を撃った」



降「仕方なかったんだ、あれはー」
『うん。大体分かるよ』


彼女が台所で顔を洗い、タオルで拭きながら言う。


『...昨日、景光と寝た』


な、寝た、って



『夜中に、うちに来て、様子がおかしくて。それで...』

彼女がタオルで顔を抑えたまま話す。

『私、あれだけ景光のこと好きで、初めては絶対景光とか言って』



『...馬鹿みたい』



.



.



.


玄関のドアを閉め、立ち尽くす。

あの時、彼女の表情はタオルで覆われていて見えなかったけど、けど...


"馬鹿みたい"


降「っ、」


ぽつぽつと雨が降り出す。

慌てて駐車場に停めていた愛車に乗り込んだ途端、雨は強く降り出した。

"彼"にメールする。

ｰｰｰｰｰ
話がある
土曜の夜開けておいてくれ
ｰｰｰｰｰ

降「ヒロ...」

分厚い雲が覆った空を見上げる。



なんだか嫌な予感がした。



.



.



.



ｰｰｰｰｰ

「遅かったな、マリー」

目深に帽子を被った彼が、グラスを傾けながら言った。

『スコッチ、ニートで』
ジ「...フッ」

ジンは少し笑うと、グラスをグイッと煽り、全て飲み干した。

ジ「俺にも同じものを頼む」

やけに楽しそうな彼を眺める。

『どうしたの?』
ジ「あぁ、いや、なんでもない」

適当にはぐらかされてしまった。

まぁ、ジンが楽しそうにしている理由なんて、知らない方がいいのかもしれないけれど。

ジ「最近どうだ」
『どう、って?』

スコッチを1口、こくりと飲み込む。

ジ「ベルモットが言っていたぞ。最近お前の様子がおかしい、とな。」

ジ「何かあったのか」


『...失恋しただけ』


その返答に、ジンがぽかんとした顔をする。

『任務は完璧よ』
ジ「...すまない」

ジンが私から目を逸らす。


あれから4日、私は、マリーとしても、Aとしても、未だに"彼"と連絡をとっていなかった。


もうそろそろ、ちゃんと向きあわなければ...



『ジンこそ、急に私と飲みに行きたいなんてどうしたの?』
ジ「あぁ、今晩一緒に飲みに行く奴を探していたんだ。もうじき訳も分かるさ」

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