【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

code.19 "why" ページ20

ちらりとライを窺う。

"虎穴に入らずんば虎子を得ず"か。

パーティ会場の裏に用意されていたらしい部屋に案内される。

この部屋の出口はーー入ってきたドアのひとつのみ

前を歩く3人を眺める。
大方、私達のことを話し合っているのだろう。

ラ「...問題ない。持っているんだろう?」

そう言うと、彼は私の太ももにちらりと目をやった。

『...えっち』
ラ「フッ」

鼻で笑ったライはほっとき、前の3人に目をやりながら、内もものレッグホルスターに触れる。

日本での発砲は避けたいが、いざとなったら躊躇してられないな...

「で、あなた方はどうして組織を?」

山岡が尋ねる。

『実は、私達も先月、ある取引を組織と行い、また来月行う予定なのですが、あまりにもこちら側の組織の情報が少なすぎて。そこで同じように組織について探っているあなた方のことを耳にしたので、是非ともお話したいと思いましたのよ。』

3人がちらちらとライを窺っている。
まぁ、こんな強面のでかい奴が横にいたら、そりゃあ気になるか。

『紹介が遅れたわね、こちらは私の使いのウィリアム。気にしないで。』

ワインとグラスが4つ運ばれてくる。

「私の名前はアイリス。宜しく」

女がグラスにワインを傾けながら言う。

「私は先程言った通り山岡、隣はボディーガード兼秘書の深見だ。」

深見
こいつが公安疑惑のある男か。
面識はない、ということはこいつは公安じゃないな


『単刀直入お聞きします。山岡さんは麻薬の取引関係で何か組織についてお調べになっているのでしょう?』
「あぁ、その通りだ。最近組織からの連絡が少なくなってきたから、ついに契約を打ち切られる頃合と思っていて、組織幹部に接触できないかと思っていたんだ。だが、もう動くのはやめておくよ」
『ん、なぜ?』
「彼女から聞いたんだ。組織を貶めようとしたアメリカの不動産会社の社長が殺されたってな。」

あー、あれか...

『えっと、アイリスさんと山岡さんは一体どういうご関係で?』

ワイングラスを彼女から受け取りながら尋ねる。

「彼女も、あなたがたと同じように組織を追っている者の1人なんだよ。」

『なるほど。失礼ですが、あなたも何か取引を?』

アイリスなんて名前の女、組織の取引先にいたかしら...

「いいえ」


「正確に言えば、私が追っているのは組織ではありません。私の愛する人を殺した"マリー"...あの女を追っているのよ。」

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