【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

code.18 "お嬢様" ページ19

ラ「ほぉ...」

彼は私を見るなり、開口一番そう言った。

ラ「毎回思うんだが、見違えるな...」
『喧嘩売ってる?』

はぁ、とため息をつく。

真っ赤な唇、キラキラのアイシャドウ

黒いドレスに合うように考えてある華やかなメイクをした私は、そりゃあ普段の私とは違うだろう。

『ベルモットに教えてもらったの。』
ラ「なるほど」

納得したように頷く彼を見る。

『...ライも変わるわよねぇ。』
ラ「?」

スラリとした長い脚に良く似合う黒いスーツ。オールバックにされた前髪と、高くひとつに括られたサラサラの黒髪。

こりゃモテる。

ラ「よし、行くぞ」

ライの一声でホテルの部屋に鍵をかけ、外へ出る。

ここから先はお嬢様とその召使いだ。

.


.


.

ラ「マリー、アイツだ」

ライの目線の先には、そこそこガタイのいい男と、その横に欧米人らしきブロンドの女が組長と一緒に談笑を交わしていた。

『ねぇライ、あの組長の横にいる女、見覚えない?』
ラ「...いや、ないが」

男の方はラッキーなことに公安ではなかったらしく、面識はない。

それよりも、あの女どこかで...

ラ「よし、行くぞ」
『ええ...』

カツカツとヒールを鳴らしながら近づいていく。

『こんにちは、あなたが組長さんでして?』

ガタイのいい男が組長の前に立ちはだかる。
さすが組長、警備は固いな...

『私はイギリスのリースホテルグループの会長、トーマスの娘のマリアでございます。お目にかかれて光栄ですわ、山岡組長』

ガタイのいい男が組長の手によって下げられる。
よし、上手くいったか...

「ええ、私が山岡だ。で、どうしてこんな大物の方が?」
『実は...』



『こちらに、例の組織を追っている方がいらっしゃる、とお聞きしたもので...』



その瞬間、3人の表情が変わる。

図星か...

右手に持ったシャンパンに口をつける。

『あら、おいしい。これはどちらの?』

そう言ってシャンパングラスを揺らしてみせる。

「アメリカから私が持ってきたものです」
『America...』

ということは、この女と私が遭遇するとすれば、アメリカでの任務か。
だとすると、一体どこで...

脳内をぐるぐると巡らせていると、山岡の横にいた男が口を開く。

「ここではなんですから、奥でどうです?日本で作られた最高級ワインをご用意しております。」

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