【名探偵コナン】BloodyMary【黒の組織】

code.13 "大くん" ページ14

ﾊﾟｧﾝ


『Wow...お見事』

無言でライフルを片付ける彼に向かって口笛を吹く。双眼鏡の奥では、標的が血を流して倒れていた。

『ライ』
ラ「...なんだ」
『彼女、大事にしなさいよ..."大くん"』
ラ「!?」

わかりやすく眉を顰めた彼に、明美ちゃんから送られてきた2人が楽しそうに笑う写真を見せる。

ラ「...おい」
『彼女とはただの友達。安心して。絶対に何もしないし、私は彼女を守る。だから、』


『その銃をおろしてくれる...?』



ラ「...帰るぞ」

ライフルケースを肩にかけると、彼は私に背中を見せながら言った。

ラ「こう見えてお前のことはかなり信頼している。...俺のもしもの時は頼んだぞ」
『...えぇ、もちろん』

ライが長い黒髪をたなびかせながら言う。

『煙草、吸っていいよ』
ラ「?」
『彼女とのデートの時、我慢してるんでしょう?彼女から煙草の匂いが全くしなかったから。』
ラ「ふっ...鋭い女は嫌われるぞ」

ライが煙草に火をつける。
相変わらず様になるな。

ラ「お前、これからどうするんだ」
『ん、私?そうだねぇ...日本に戻るよ。この前戻ったばかりだけどね』
ラ「そうか...」
『じゃあまたね!ライ、元気でね〜』

ひらひらと背中越しに手を振る。

ラ「あぁ」

ライの、不器用で短い、だけどしっかりとした返答が聞こえて、少しだけ胸がほっとした。

code.14 "黒"→←code.12 "諸星大という男"

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す